Sims 7 days

PC版『The Sims4』の創作Blogです。シムたちのオリジナルストーリーを展開中。※一部BL要素を含みます。

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【Sims4 WG】#14 番犬(前編)

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護るのではなく盾となるのが、護衛係の務めであるーー

 

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俺の家は代々、シークレットサービスの会社を経営していた。

 

 

 

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Del Sol Valleyに事務所を構え、セレブや企業を護衛する。それが、俺達一族の生業だった。

 

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ゴールド家お抱えの護衛係となったのは、祖父の代でのことだった。

 

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やり手と有名なアレクサンダー・ゴールドは、内外に多くの敵がいた。

そこで、俺の祖父に身辺警護を依頼したのだ。

 

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Del Sol Valleyの小さな事務所から、大富豪専属の護衛係へーー

 

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夢のような大出世だが、喜びも束の間。

アレクサンダー・ゴールドには、俺たちが予想していたよりも遥かに多くの敵がいたらしい。

 

 

 

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ゴールド家にやって来てから数年も経たないうちに、俺の親父は、職務中に命を落とした。

 

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仕事が仕事だ。親父の死はショックだったが、全ては覚悟の上。

祖父も俺も、冷静に親父の死を受け止めた。そこまでは良かったのだが……。

 

アレクサンダー・ゴールドは、とんでもないことを言い出した。

 

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『ゴールド家の専属護衛責任者として、執事長に次ぐ権限を与える』

 

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この一言で、ゴールド家の古株である使用人連中を、完全に敵に回すことになった。

 

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現代は、階級制度なんて古臭いものは消えつつあるが……数百年の歴史を誇るゴールド家内部は、違う。

ゴールド家の使用人といえば、一昔前でいう貴族階級の連中ばかりだ。

 

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中でも、使用人を取り仕切る執事長・グレージュ一族は、そこら辺の名家と呼ばれる家よりもよほど強い権力を握っていた。

そんな連中が、一般庶民である俺達を認めるわけがない。

 

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アレクサンダー・ゴールドの決定が発表されてから、護衛係と使用人の間で、冷戦が始まることとなってしまった……。

 

 

 

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使用人連中は、陰で俺達護衛係を『番犬』と呼んでいた。

旦那様について回って仕事をしたような顔をしている、ゴールド家の犬ーー

 

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馬鹿にされて腹を立てる部下もいたが、俺は相手にしなかった。

金も権力も肩書きも、そんなものはどうでも良い。

 

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俺達護衛係の使命は、大切な主人の盾となること。

くだらない肩書きよりも、命をかけたいと思える主人に出会いたいーー

それが、全てだった……。

 

 

 

 

 

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冷静状態が数年続いた頃、ゴールド家に一人の少年がやってきた。

 

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アレクシス・ゴールドーー

アレクサンダー・ゴールドが、内縁の妻との間にもうけた子供だった。

 

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いずれは、この家を継ぐことになるのだろう。

 

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母親の死をきっかけに引き取られたその日から、俺はアレクシスの護衛を任されることとなった。

 

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リック「初めまして、アレクシス様」

アレクシス「……」

 

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母親が亡くなったというのに、涙一つ流さない。

何を言っても、表情一つ動かない。

 

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リック(なんて可愛げのない子供だろう……)

 

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それが、アレクシス・ゴールドの第一印象だったーー

 

 

後編に続く……。

 

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私は、大の犬好きです。

 
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