Sims 7 days

PC版『The Sims4』の創作Blogです。シムたちのオリジナルストーリーを展開中。※一部BL要素を含みます。

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【Sims4 WG】#15 番犬(後編)

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命を掛けて護りたいと思える主人に出会えたら、それ以上の幸せはないーー

 

↓前編はこちら。

  

 

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アレクシスがゴールド家に引き取られてから、数ヶ月……。

アレクサンダー・ゴールドへの恨みや憎しみは、当然のように息子にも向いた。

 

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まだ10歳にも満たないアレクシスは、敵からすれば格好の獲物だったのだーー

 

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いつものように学校に迎えに行った時、事件は起きた。

 

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向かって来る暴漢から、アレクシスを守ろうとして……。

 

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俺は、負傷した。

 

 

 

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我ながら情けない……。

 

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親父の二の舞にならないように、護衛体制を見直すべきだろうか?

 

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病院で手当てを受けながら、そんなことを考えた。

 

 

 

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ゴールド邸に戻ると、部下と一緒にアレクシスが待っていた。

 

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もう寝る時間だというのに、着替えもせずに何をしているのだろう?

そんなことを思っていると、アレクシスは申し訳なさそうに寄って来た。

 

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アレクシス「……ごめんなさい!ごめんなさい、僕のせいで……」

 

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人目もはばからず泣きじゃくるアレクシスを見て、俺はただただホッとした。

なんだ、ちゃんと子供みたいに泣けるんじゃないか……と。

 

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リック「気になさらないでください。これが、俺達護衛係の仕事なんです」

アレクシス「でも……!」

 

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リック「金も権力もどうでも良い。番犬と蔑まれても構わない」

 

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リック「あなたが元気でいてくれることこそが、俺達護衛係の誇りなんです」

 

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リック「だからアレクシス様、笑ってください」

アレクシス「……うん」

 

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この一件以来、アレクシス様は少しずつ心を開いてくれるようになった。

 

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大人びたことを言うかと思えば、子供のように無邪気に笑う。

コロコロ変わる表情が面白くて、俺はアレクシス様を弟のように可愛がった。

 

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どんな状況下でもたくましく生きられるように、良いことも悪いことも全て教えた。

 

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庶民の家に生まれ、貴族の家に引き取られたアレクシス様……。

 

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どちらも経験したアレクシス様は、護衛係とも使用人とも平等に接してくれた。

 

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そんなアレクシス様を見て、俺達護衛係と使用人の間のわだかまりも、自然と溶け始めた。 

 

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この聡明で心優しいアレクシス様を、いずれゴールド家の当主にーー

そんな願いが、俺達の結びつきを強くしたのだろう。

 

 

 

 

 

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ワイアット「またこんなところでサボっていたのか?」

 

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リック「……」

ワイアット「どうした?」

 

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リック「そういえば、お前とマリアだけだな。俺達を『番犬』と呼ばなかったのは……」

ワイアット「……今頃、何の話だ?」

 

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リック「グレージュ家の執事長様であるお前は、誰よりも俺達を認めたくなかったはずだろう?なぜ、黙っていたんだ?」

 

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ワイアット「君達が優秀だということは、知っていた。それに……」

 

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ワイアット「君達をゴールド家に迎え入れたのは、アレクサンダー様だ。護衛係を貶めるということは、主人であるアレクサンダー様を貶めるということ」

 

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ワイアット「護衛係には護衛係のプライドがあるように、執事にも執事のプライドがある」

 

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ワイアット「私にとって、主人の決定は絶対だ。たとえ白いものでも、アレクサンダー様が黒だといえば、黒だと肯く。それが、執事だ」

リック「……なるほどね」

 

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ワイアット「それより、奥様とは上手くいっているのか?」

リック「あぁ」

 

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リック「マリアには……」

ワイアット「伝えていないし、伝えるつもりもない」

 

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リック「……それが良いだろうな」

 

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アレクシス様を護るためなら、手段は選ばない。

例え、友人を裏切ることになったとしても。

 

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それが、俺のやり方だーー

 

 

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団結できたのは、多分憎まれ役(レイチェル)のお陰。

 
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