力が及ばないのなら、力を借りるのも一つの手であるーー
キース「リックとは、ずいぶん仲が良いんだな?」
レイチェル「あら、嫉妬してるの?」
キース「アレクシスが出て行って10年になろうかというのに、未だにアレクサンダーはジュリアンを後継者にしようとはしない……」
キース「いい加減、焦りもするだろう」
レイチェル「そうね」
レイチェル「あの人ったら、アレクシスに固執しちゃって……」
レイチェル「アレクシスなんて、いっそ死んでしまえばいいのに」
キース「……」
キース「それを叶えられる人間がいるんじゃないか?」
レイチェル「……え?」
キース「例えば、アレクシスの居場所を知っている人間とか」
レイチェル「……」
レイチェル「そうね。そうよ……」
レイチェル「いっそ、消してしまえば良いのよ」
レイチェル「ねぇ、リック。私のこと好き?」
リック「もちろん、お慕いしていますよ」
レイチェル「そう……」
レイチェル「あなた、アレクシスの居場所を知っているんでしょう?」
リック「……」
リック「……だとしたら?」
レイチェル「アレクシスを消して頂戴」
リック「奥様……」
レイチェル「もちろん、タダでとは言わないわ」
レイチェル「ジュリアンがゴールド家を継いだ暁には、ワイアットを追い出してこの家を取り仕切る実権を与えてあげる」
レイチェル「お互いにとって、悪い話じゃないでしょう?」
リック「……」
リック「っ……」
リック(頭が割れそうだ……あの女、一体何をしたんだ……?)
ジュリアン「よくあの人の力を前にして、正気でいられたね」
ジュリアン「あんた、本当に人間?」
リック「ジュリアン様……?」
ジュリアン「気分が悪い?だろうね」
ジュリアン「そんなことより、兄さんをこの家に呼び戻す方法を教えてよ」
リック「……なぜジュリアン様が?」
ジュリアン「俺にも協力させてくれるなら、あんたを守ってあげる」
リック「守る?」
ジュリアン「あの人、ヴァンパイアの中でも最上位の力を持っているんだ。
今は対抗できても、このままだといずれ操られる」
ジュリアン「兄さんのために、俺と手を組まない?」
リック「……」
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レイチェルより、厨二病感全開のジュリアンの方が怖い。
やる気スイッチです。応援よろしくお願いしますm(__)m