演技に必要なのは、堂々とした振る舞いと圧倒的な説得力ーー
ジュリアン「ねぇ、何してるの?」
レイチェル「ジュリアン……?」
キース「ジュリアン様、これは……」
ジュリアン「下手な言い訳はいいよ。それより、俺も仲間に入れてくれない?」
ジュリアン「俺はゴールド家の次期当主だからね。誰が敵で誰が味方なのか、把握しておきたいんだ」
ジュリアン「ねぇ、母さん」
レイチェル「ジュリアン……」
レイチェル「あなた、ようやくこの家を継ぐ気になったのね」
キース「……」
キース「今まで後継者になど興味はなかったのに、一体どういう風の吹き回しですか?」
キース「ワイアットやリックに何か言われたのでは?」
レイチェル「キース!せっかくジュリアンがやる気になっているのに……」
キース「最近、あの二人と過ごす時間が多いようですね」
ジュリアン「……」
ジュリアン「当たり前でしょう?実の親に放っておかれているんだから」
ジュリアン「俺が使用人といるのは、今に始まったことじゃない」
レイチェル「……」
ジュリアン「驚いたよ、教育係さん。ろくに仕事しないくせに、俺の動向はチェックしていたなんて」
ジュリアン「でもね、チェックしているのはあんただけじゃない。俺だって、あんたを見ていたんだ」
ジュリアン「俺が『本当の父親』を知らないとでも思っているの?」
レイチェル「ジュリアン、あなた……」
ジュリアン「変な疑いをかけて、俺を怒らせない方が良い」
ジュリアン「後継者としてゴールド家の当主になった暁には……」
ジュリアン「あんたを追い出すことだってできるんだから」
キース「……」
ジュリアン「それで?」
ジュリアン「俺の味方は誰なの?」
ジュリアン「兄さんの敵がわかったよ」
ジュリアン「反ゴールド同盟のリストを手に入れたから、あとは任せて」
ワイアット「任せるとは……何をなさるおつもりですか?」
ジュリアン「あんたは知らない方が良い」
ワイアット「ジュリアン様、どうか危険なことは……」
ジュリアン「説教はやめてくれる?安心してよ。用が済んだら俺は姿を消すから」
ジュリアン「あんたに迷惑がかかることはない」
ワイアット「ジュリアン様。私が申し上げているのは、そういうことでは……」
ジュリアン「あぁ、そうだ。父さんについていてあげて」
ジュリアン「同盟が機能しなくなったら、あいつら何をするかわからないから」
ワイアット「……」
マリア「……」
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告げ口、盗み聞きが当たり前のゴールド家。
ジュリアンの脅し方は、完全にアレクシス譲りです。
やる気スイッチです。応援よろしくお願いしますm(__)m