利害関係の一致が、この家に悲劇をもたらしたーー
レイチェル「ワイアット、パーティの案内状を送付しておいて」
レイチェル「それから、私のドレスも新調しておくのよ。いいわね?」
ワイアット「全て仰せのままに。奥様」
キース「随分従順になったものだな。あのお堅い執事をどうやって手懐けたんだ?」
レイチェル「知らないわ」
レイチェル「ようやく後継者はジュリアンだって認めたんじゃない?」
キース「アレクシスが失踪してやがて2年か……」
レイチェル「フフッ……」
キース「何だ?」
レイチェル「田舎でくすぶっていた私たちが、今や世界的な大富豪のファミリーの一員よ?」
レイチェル「これも、ゴールド家に取り入ってくれたあなたのおかげね」
キース「確かにきっかけは俺だが……」
キース「アレクサンダーと結婚できたのは、お前の能力のおかげだ」
15年前ーー
キース「アレクサンダー様、ご紹介したい者がおります」
アレクサンダー「キース、後にしてくれないか」
キース「お時間は取らせません」
レイチェル「お初にお目にかかります、アレクサンダー様。
レイチェル・レッドと申します」
アレクサンダー「……すまないが、今日は仕事の話をする気分ではない」
レイチェル「あら、お仕事のお話ではありませんわ。
アレクサンダー様、あなたが私を探していたのでしょう?」
アレクサンダー「……何の話だ?」
レイチェル「私はーー」
アレクサンダー「……」
アレクサンダー「君の話を聞かせてもらおう」
レイチェル「あと少しで、全てが手に入る」
キース「あぁ、俺たちはもうすぐ世界の頂点に立つんだ」
ジュリアン「……」
ジュリアン「なるほどね……」
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ジュリアンの家庭環境が心配。
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