↓Season 1のまとめは、こちら。
↓Season 2のまとめは、こちら。
アメリア「待って、お兄様！」
アレクサンダー「アメリア、お前まで私たちの結婚に反対するとはな」
アメリア「私が結婚に反対しているのは、クリスタルとアレクシスのためよ」
アレクサンダー「何？」
アメリア「クリスタルにとって、この家は針の筵。身分が低いことを理由にどんな不当な扱いを受けるかわからない。元々体の弱いクリスタルには、大きな負担になる」
アメリア「アレクシスだって、ゴールド家の跡取りとして厳しい監視下に置かれることになるわ。今まで自由に暮らしていたのに、監獄のようなこの家に連れて来ては可哀想よ」
アレクサンダー「……」
アメリア「お兄様、どうかあの子たちのためにも考え直して」
アレクサンダー「……十分な財産を与える。夫と共にグラナート家へ移れ」
アレクサンダー「二度とこの家には戻るな」
アメリア「お兄様……!!」
エイベル「……」
ジュリアン「アレクサンダーは、内外に敵の多い人物だった。下手にあんたの母親だけを家に残せば、反対勢力に睨まれる」
エイベル「だから仲の良い妹も、他の親族と同じように追放したと？」
ジュリアン「恐らくね」
ジュリアン「ゴールド家が隠蔽してきたお陰で、あんたの存在はまだ反対勢力に知られていない。でも、それも時間の問題だ」
ジュリアン「最近、ゴールド家を潰そうとする輩の行動が活発化している」
エイベル「それで俺が反対勢力につかないよう監視していたと？」
ジュリアン「まぁ、そんなところ」
ジュリアン「本当は害にならないなら自由にしてくれて構わなかったんだけど、一流の諜報員なら話は別だ」
エイベル「……諜報員だったらどうだっていうんだ？」
ジュリアン「反対勢力を潰すために、ゴールド家に協力してほしい」
エイベル「どうして俺が……」
ジュリアン「あんたの存在が反対勢力に知られれば、味方に引き込もうとするはずだ」
ジュリアン「自分の立場がわかってる？あんたは、現当主であるアレクシス・ゴールドの従兄弟なんだよ」
ジュリアン「ゴールド家の中でも特に色濃い『高貴な血』を持っているんだ。反対勢力のトップに祭り上げられる可能性だってある」
エイベル「それは……」
ジュリアン「ゴールド家としては、現当主に最も近い血を持つあんたを反対勢力に渡すわけにはいかない。一流の諜報員ともなれば尚更だ」
ジュリアン「味方になるのであれば協力を願いたい。しかし、敵対するのであれば生かしてはおけない」
ジュリアン「それが、アレクシス・ゴールドの意向だ」
エイベル「……」
エイベル「敵対する者は消す。それが、お前たちのやり方なのか？」
ジュリアン「そうだね」
エイベル「……殺されたのか？」
ジュリアン「え？」
エイベル「俺の両親は、ロレッタは……殺されたのか？」
ジュリアン「……」
ジュリアン「わからない」
エイベル「本当のことを教えろ」
ジュリアン「だから、わからない」
ジュリアン「ゴールド家の調査では、あんたの両親と教育係は事故死だと結論づけられている。でも……」
ジュリアン「アレクサンダーに敵が多かったことを考えれば、殺されてもおかしくない。今となっては、真相は『わからない』ってこと」
エイベル「……」
エイベル「俺も狙われる可能性があるんだよな？」
エイベル「俺だけじゃない。俺の周りにいる無関係な人間も狙われる可能性があるんだろう？」
ジュリアン「そうだね」
ジュリアン「でも、あんたがゴールド家のために協力するというなら、護衛をつけてあげる」
ジュリアン「ジェームズだけじゃない。護衛を増やしても良いし、あんたの周りの人間も護ることを約束するよ」
ジュリアン「ゴールド家に味方して反対勢力から護ってもらうか、反対勢力に味方してゴールド家に消されるか」
ジュリアン「さぁ、好きな方を選んで」
エイベル「……」
やる気スイッチです。応援よろしくお願いしますm(__)m
