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ウォルター「お父さん」
フランシス「ウォルター、何度言ったらわかるの?」
フランシス「お父さんじゃなくて『お母さん』でしょう?」
ウォルター「あのさ……」
ウォルター「今度、家庭訪問があるんだ」
フランシス「家庭訪問?」
ウォルター「そう。僕の担任のディック先生が家に来るんだ」
フランシス「まぁ、先生が家に?おもてなししないと」
ウォルター「おもてなしも大事だけど……その前に、もっと大事なことがあるでしょう?」
フランシス「大事なこと?」
ウォルター「先生には、ちゃんと『男性の格好』で対応してほしいんだ」
フランシス「……どうして?」
ウォルター「学校には僕の『父親』で届けを出してるんだよ?」
ウォルター「お父さんが女性の格好をしてたら、変に思われるよ」
フランシス「ウォルター……」
ウォルター「お父さん、ごめんなさい」
ウォルター「ママと離婚した時に、僕がひどいことを言ったから女性の格好をしてるんでしょう?」
ウォルター「ママが出て行ったショックであんなこと言ってしまったけど、本心じゃない」
ウォルター「お父さんのことは尊敬してるし、お父さんには男性のままでいてほしいんだ」
フランシス「……え?」
フランシス「ウォルター……あなたまさか、私が女性になったのは自分のせいだと思ってるの?」
ウォルター「え?」
ウォルター「違うの?」
フランシス「あぁ、ウォルター……」
フランシス「あなたのせいじゃない。私は元々、女性になりたかったのよ」
ウォルター「……はい?」
フランシス「確かに、私は男性に生まれて男性として生きてきた。結婚してあなたが生まれるまではね」
フランシス「でも、私の心はずっと女性だと思っていた」
フランシス「長年本心を隠して生きてきたけど、ある日あなたのママにバレてしまったの」
ウォルター「……どうして?」
フランシス「私が隠れて女装しているところを見られてしまったから」
ウォルター(なんてこった……!!)
ウォルター「え?じゃあ、離婚してママが家を出て行ったのって……」
フランシス「彼女とは十分に信頼関係を築けてると思っていたんだけど……」
フランシス「私の『今後は女性として生きたい』というお願いは、彼女には受け入れがたかったみたい」
ウォルター(そりゃそうだよ……!!)
ウォルター「……待って。つまりお父さんが女性になったのは、僕のためではなく元々の願望だったってこと?」
フランシス「そうよ」
ウォルター「……」
フランシス「ごめんね。あなたが責任を感じているなんて知らなかった」
フランシス「安心して。男性であろうと女性であろうと、私がウォルターの親であることに変わりはない」
フランシス「これからは『お母さん』として、立派にウォルターを育ててみせるから」
ウォルター「そっか……」
ウォルター「って、安心できるか!!」
フランシス「ウォルター……?」
ウォルター「お父さん、これからずっと女性として生きるつもり!?」
フランシス「そうよ」
フランシス「ようやく本当の姿で生きられるようになったんだもの。もう自分を偽る必要なんてない」
フランシス「まぁ、弁護士というお堅い職業である以上、仕事の時はどうしても男性の格好をしないといけないけど……」
フランシス「プライベートでは、自分を貫くつもりよ」
ウォルター「……」
フランシス「というわけで、家庭訪問はもちろん『お母さん』として対応するから」
フランシス「先生のおもてなしは任せてね」
ウォルター「……」
ウォルター(僕の人生、お先真っ暗だ……)
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