選択肢が多いほどに、未来は広がる。
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↓Season 2のまとめは、こちら。
ローズ「カイル、準備は良い?」
ローズ「お誕生日おめでとう!」
カイル「ありがとう、お母さん」
ローズ「ジュシーさんとノエルがケーキ作ってくれてるから、もう少し待っててね」
カイル「わかった」
カイル「それで?僕に話があるんでしょう?」
ローズ「………………」
ローズ「本当は、もっと大きくなってから話すつもりだったんだけど……カイルは頭も良いし、大人びた考え方ができる子だから、今のうちに話しておくね」
ローズ「ね、ジュリアン!」
ジュリアン「……俺?」
ローズ「カイルがこうなったのはジュリアンのせいなんだから、自分で話してよね」
ジュリアン「……」
ジュリアン「カイル」
ジュリアン「日光に当たれないのも、食べ物が制限されるのも、今まで病気が原因だって話してたよね」
カイル「日光アレルギーと食物アレルギーでしょう?」
ジュリアン「嘘なんだ」
カイル「え?」
ジュリアン「カイルは病気じゃない。というか、そもそも人間じゃない」
カイル「……どういうこと?」
ジュリアン「『ヴァンパイア』なんだ」
カイル「ヴァンパイア……?」
ジュリアン「今は日光に当たっても大した害はないけど、今後歳を重ねれば完全に外に出られなくなる。血に飢えて喉だって乾くよ」
ジュリアン「ヴァンパイアとしての力が強まるからね」
カイル「どうしてわかるの?」
ジュリアン「俺もヴァンパイアだから」
カイル「お父さんが……ヴァンパイア?」
ジュリアン「そう」
ジュリアン「生活の中で色々と制限はあるけど、悪いことばかりじゃない」
ジュリアン「ヴァンパイアには、人間よりも優れている能力がたくさんある」
カイル「例えば?」
ジュリアン「コウモリに姿を変えたり、人の心を読んで操作したりできる」
カイル「本当に?」
ジュリアン「確かではないけれど、ヴァンパイアの世界には人間に戻る方法が存在するらしい」
ジュリアン「カイルがヴァンパイアでいることを望まないのなら、人間に戻る方法を探そうと思うんだけど……どうかな?」
カイル「………………」
カイル「どうだろう?どちらか選べなんていわれても……僕の10年程度の人生経験では、決断できないよ」
ローズ「カイル……」
ジュリアン「まぁ、そりゃそうだよね」
ジュリアン「今すぐ選択する必要はないよ。でも、覚えておいて」
ジュリアン「日光には当たらないこと。そして、どんなに喉が渇いても、決して人間だけは襲わないこと」
ジュリアン「人間の血の味は、一度覚えると病みつきになるからね」
カイル「……わかった」
マリオン「カイル、料理ができたわよ」
マリオン「さぁ、誕生日パーティーを始めましょう」
カイル「ありがとう」
ローズ「………………」
ローズ「カイル、いきなりヴァンパイアだなんていわれてびっくりしたよね」
ジュリアン「たぶんね」
ジュリアン「……電話してくる」
ローズ「こんな時に仕事の話?」
ジュリアン「違うよ」
ジュリアン「ヴァンパイアが人間に戻る方法を探すんだ」
ローズ「心当たりがあるの?」
ジュリアン「人間に戻る方法自体は知らないけど、知っていそうな人がいる」
ジュリアン「カイルが今後どんな決断を下すかわからないから、今のうちに準備しておこうと思って」
ジュリアン「カイルがヴァンパイアになったのは俺のせいだし、親としてできることはしておかないと」
ローズ「ジュリアン……」
ローズ「ありがとう」
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カイルも成長してるけど、ジュリアンも成長してます。
やる気スイッチです。応援よろしくお願いしますm(__)m