モデルケースに当てはまることが、正解だとは限らない。
↓Season 1のまとめは、こちら。
↓Season 2の第1話は、こちら。
ジュリアン「ジェシーでも難しい本を読むことがあるんだね」
ジェシー「ジェシーでもって、どういう意味だよ?」
ジュリアン「ねぇ、ジェシー」
ジェシー「あ?」
ジュリアン「あのさ、結婚しなくてもまともな家庭は築けるのかな?」
ジェシー「……え?」
ジュリアン「あれから色々考えて、思ったんだ。俺には人として大事なものが欠けているせいで、ローズは結婚を嫌がったんじゃないかって」
ジュリアン「欠陥品の俺には、まともな家庭なんて築けないのかな?」
ジェシー「ジュリアン……それは違う」
ジェシー「人は誰でも、欠点の一つや二つ持ってるものだ。お前はたまたまコミュニケーションが苦手だというだけで、欠陥品だなんてことはない」
ジェシー「コミュニケーションを学ぶ機会がなかったのなら、今から学べば良いんだ」
ジュリアン「……」
ジェシー「それに、結婚は選択肢の一つでしかない。親が結婚していなくても、幸せな子供はたくさんいる」
ジュリアン「……俺の親は結婚していたけど、まともな家庭じゃなかった」
ジェシー「逆のパターンもあるよな」
ジェシー「お前は父親としてよくやっている。その証拠に、カイルだって懐いているだろう?」
ジュリアン「父親として……?」
ジェシー「あぁ」
ジェシー「この間だって、お父さんは頭が良いから何でも知ってるって自慢してたぞ」
ジュリアン「……」
ジュリアン「そうか、だから俺は……」
ジェシー「ジュリアン?」
ジュリアン「俺がローズやカイルと一緒にいる理由を思い出したんだ」
ジェシー「一緒にいる理由?」
ジュリアン「俺、カイルの父親になりたいんだった」
ジェシー「……」
ジュリアン「漠然と家庭を築こうと手探りできたけど、ここにいるのはローズと結婚するためじゃない」
ジュリアン「俺は自分の親のようになりたくないから、カイルの側にいるって決めたんだった」
ジェシー「そうなのか?」
ジュリアン「ありがとう、ジェシー。少しスッキリした」
ジェシー「そうかよ。よくわからないけど、解決したなら良かった」
ジュリアン「ジェシーでもたまには役に立つんだね」
ジェシー「だから、ジェシーでもってどういう意味だよ」
ジェシー「……」
ジェシー「ジュリアン、セシルは期待しない奴にチャンスを与えたりしない。お前に厳しく接するほど、期待が大きいってことだ」
ジュリアン「期待……?」
ジェシー「お前は、セシルから好かれてるってことだよ」
ジュリアン「そうなの?」
ジェシー「不安に思うことなんて何もない。お前が正しいと思うことをすれば良いんだ」
ジュリアン「……わかった」
カイル「お母さん、どうして男の子はスカートを履いちゃいけないの?」
ローズ「え?」
ローズ「カイルはスカートを履きたいの?」
カイル「うん。だって可愛いもん」
マリオン「あら、こちらの世界へようこそ」
ローズ「マリーちゃん!」
ローズ「えーっと……カイルは女の子になりたいってこと?」
カイル「女の子になりたいわけじゃないよ。でも、女の子の服を着たいんだ」
マリオン「なるほどね」
ローズ「スカートを履いたらいけないなんてルールはない。カイルが好きな格好をして良いんだよ」
カイル「でも、学校で友達に話したらおかしいって言われた」
マリオン「確かにルールはないけど、男の子がスカートを履く文化もないわね」
ローズ「それなら、カイルが広めれば良いんだよ」
カイル「僕が?」
ローズ「カイルはファッションの道に進みたいんでしょう?カイルが第一人者となって広めたら?」
ローズ「将来は、お母さんみたいにファッションインフルエンサーを目指したら良いよ。それからユニセックスのブランドを作るの」
カイル「良いね。でも……」
カイル「それならインフルエンサーを目指すよりも、インフルエンサーを使った大規模なメディア戦略を考えるべきじゃないかな?個人としてSNSを活用するだけじゃなくて、SNS媒体自体と契約を結ぶんだ。それくらいしないと、文化として定着させる規模の意識改革は成し遂げられないよ」
ローズ「……」
マリオン「……」
ローズ「ごめんカイル。今、何て?」
マリオン「ジュリアンの英才教育の成果が出たようね」
ローズ「……」
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時々親子の会話が成り立たない、ローズとカイル。
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