人生の限られた時間をどう使うかは、自分次第。
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↓Season 2のまとめは、こちら。
マリオン「素敵な推薦状をありがとう」
ジェシー「俺たちの予想の斜め上をいく内容だったけどな……」
セシル「無事に養子を迎えられたんだろう?文句を言うな」
マリオン「今日はお礼がしたくてあなたたちを呼んだの。好きなだけ飲んで頂戴」
ケヴィン「ありがとう」
ケヴィン「それで?子供たちとの生活はどうだ?」
ジェシー「ん?」
ジェシー「まぁ……悪くない」
ケヴィン「悪くない?」
セシル「何か不満でもあるのか?」
マリオン「養子を迎えられたのは良いんだけど、3週間経っても全然懐いてもらえないのよ」
マリオン「ノアはまだ幼いから、それなりに懐いているんだけどね。ノエルの方が気難しくて……」
ケヴィン「当たり前だろう?」
ケヴィン「犬や猫だって懐くのに時間がかかるのに、分別のつく年齢の子供がたった3週間で懐くわけがない」
ジェシー「誰にも懐かないならわかるけど、俺にだけ懐かないんだよ」
ケヴィン「え?」
ジェシー『ノエル!買い物に行こうか?可愛い服欲しいだろう?』
ノエル『マリーちゃんとローズおば様が連れて行ってくれるから大丈夫』
ローズ『ノエル何してるの?行くよ』
ジェシー『ノエル!宿題あっただろう?俺が……』
ノエル『ジュリアンおじ様に見てもらうから大丈夫』
ジュリアン『何してるの?始めるよ』
ジェシー『ノエル!ランチは何が良い?俺が何でも作ってやる』
ノエル『学校の友達と約束してるから大丈夫』
カイル『ノエル、もう行ける?』
ジェシー「マリオンやジュリアン一家には懐いているのに、俺は避けられている気がするんだ」
ケヴィン「それは……」
ケヴィン「単純にお前のことが嫌いなんじゃないか?」
ジェシー「……」
マリオン「あと1週間で懐いてもらえないと、ノエルとノアを施設に返さなければならないのよ」
マリオン「子育ての先輩として、何か良いアドバイスはない?」
セシル「ジェシー、お前クロエやエマには懐かれていただろう?」
ジェシー「え?あぁ……」
セシル「女子供に好かれるお前が嫌われるなんて、特別な理由があるとしか思えない。何か思い当たることはないのか?」
ジェシー「思い当たること?」
ジェシー「これといった心当たりはないけど……」
ケヴィン「何か理由があるにせよ、まずは信頼関係を築くことが優先だな」
ケヴィン「子供だって一人の人間なんだから、腹割って話すには信頼関係が必要だ」
マリオン「なるほどね」
セシル「子供も動物も一緒だ。信頼関係を築くには、時間が必要だろう」
セシル「こんなところで俺たちに相談している暇があったら、子供たちと過ごせ」
ジェシー「……」
セシル「ジェシー」
セシル「クロエやエマにも好かれたんだ、ノエルともきっと上手く行く」
ジェシー「セシル……」
ジェシー「そうだな。残り1週間、俺なりに努力してみるよ」
マリオン「………………」
ジェシー「マリオン」
マリオン「ジェシー。ノエルは寝た?」
ジェシー「あぁ。ローズのファッション大全を読んであげたら速攻寝た」
ジェシー「ノエルには、ジュリアンの経済誌の方が面白いらしい」
マリオン「ファッションより経済に興味を持っているの?将来が楽しみね」
ジェシー「……電話、誰から?」
マリオン「San Myshunoの店長よ。明後日こちらに来るって」
ジェシー「え?こちらって……Del Sol Valleyに?」
マリオン「えぇ。私が呼んだの」
ジェシー「どうして?」
マリオン「コンサルの仕事を手伝ってもらうためよ」
ジェシー「忙しいのか?」
マリオン「仕事量は変わらないわ。子供たちと過ごす時間を作るためよ」
マリオン「ごめんね、ジェシー。あんたがノエルとの関係にあそこまで悩んでいるとは思っていなかったわ」
マリオン「私も子育てに対する覚悟が甘かったみたい。これからは、もっと家庭を大切にするわ」
ジェシー「マリオン……」
ジェシー「仕事人間で生きてきたのに、大丈夫なのか?」
マリオン「せっかく素敵な旦那様と結婚して、可愛い子供たちにも出会えたんだもの」
マリオン「仕事だけの人生じゃ、物足りないわ」
マリオン「1週間後にノエルがどんな決断をするかはわからない。でも、二人でできる限りの努力はしましょう」
マリオン「後悔のないように」
ジェシー「……そうだな」
ジェシー「ありがとう。マリオン」
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人生で初めて、女の子の扱いに苦戦するジェシー。
やる気スイッチです。応援よろしくお願いしますm(__)m