危機が迫った時にこそ、その人の真価が問われる。
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バイオレット「見て、レイラ」
バイオレット「男の子の赤ちゃんよ。可愛いわね」
ミア「初めまして、ヘンリーよ。よろしくね」
バイオレット「ミア、出産お疲れ様。体調は平気?」
ミア「平気よ。人魚は頑丈なの」
バイオレット「……」
バイオレット「ルナは人間の男性との間に生まれた子だけど、人魚になったのよね」
ミア「そうよ」
バイオレット「ヘンリーもいずれは、人魚になる日が来るのかしら?」
ミア「……」
ミア「わからないわ」
ミア「人魚と人間の間に生まれた子供は、多くない。ヘンリーが人魚になるかどうかは、その時になってみないとわからないの」
バイオレット「そう……」
バイオレット「でも、ヘンリーは安心ね」
ミア「安心?」
バイオレット「だって、ルナがいるでしょう?」
バイオレット「人魚になってもならなくても、お姉ちゃんがサポートしてくれるわ」
ミア「そうね」
ウィル「ただいま」
バイオレット「ウィル、ハワード」
ミア「お帰りなさい」
バイオレット「……どうしたの?元気ないわね」
ハワード「今日、政府から正式に発表がありました」
ハワード「Sulaniは、今月いっぱいで自然保護区から外されるそうです」
バイオレット「え?」
ミア「そんな……」
ウィル「ミア、大変な時に申し訳ないけど、海の人魚たちに伝えてほしい」
ウィル「今後は、Sulani近海には近付かないように。島外の人間に存在がバレないように、慎重に行動してほしいと」
ミア「わかったわ」
バイオレット「何か手立てはないの?」
ハワード「今、一部の島民が政府に掛け合っています。しかし、政府の返答に変わりはないでしょう」
ウィル「クリスとライアンの方で、何か進展があると良いんだけど……」
バイオレット「クリスに連絡してみたら?」
ウィル「そうだね」
ウィル「このまま黙って、自然保護区から外れるのを待つわけにはいかない」
ウィル「この島で育つ子供たちのためにも、俺たち大人が闘わないと」
セシル「どうした?」
クリス「Sulaniのウィルからです」
クリス「政府から公式に発表がありました。Sulaniは、今月にも自然保護区から外されるそうです」
セシル「そうか」
クリス「……」
セシル「クリス、政府のSulani担当者を買収しろ」
クリス「え?」
クリス「しかし、政府はすでに買収されて……」
セシル「買収されたのなら、買収し返せば良い」
セシル「Sulaniが自然保護区から外されるとなれば、すぐにでもリゾート化計画が動き出すはずだ」
セシル「だが、土地の買収にも工事の着工にも、政府の許可が必要であることに変わりはない」
セシル「先に政府を買収して、身動きを取れなくするんだ」
クリス「……」
クリス「上手くいくでしょうか?」
セシル「金で動く奴は、金で裏切る」
セシル「10倍だ」
クリス「え?」
セシル「リゾート化を持ちかけた組織の10倍の金を積むと言え」
クリス「……本気ですか?敵はいくら積んだのかもわからないのに」
セシル「どの道、ゴールド財閥がSulaniで実権を握るには、それ相応の代価が必要だ。政府の協力なしには、天然資源の採掘もできないからな」
セシル「買収が成功すれば、Sulaniも自然保護区から外れずに済むかもしれない。何としてでも、政府を味方につけるんだ」
クリス「その後は、どうするつもりですか?」
セシル「待つ」
クリス「……待つ?」
セシル「リゾート化計画にストップがかかれば、必ず敵は姿を現す。キースは俺に交渉を持ちかけて来るだろう」
ジュリアン『諜報員曰く、タイミングを選んでわざと情報を開示したとしか思えないって』
セシル「俺は敵をよく知っているが、敵は俺をよく知らない」
セシル「直接会って、あいつとの因縁に決着をつける」
セシル「俺にはやることがある。買収の件は、お前とビクトリアに任せよう」
クリス「承知しました」
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ヘンリーもハワードの研究対象になりそうです。
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