どんなスターにも、表に出せない一面がある。
↓Season 1のまとめは、こちら。
↓Season 2の第1話は、こちら。
クリス「ケヴィンさん」
ケヴィン「クリス。どうした?」
クリス「会長を見かけませんでしたか?」
ケヴィン「あぁ」
ケヴィン「セシルなら隣の部屋でサボってるよ」
クリス「どうして自分の就任パーティーでサボるんですか……」
ケヴィン「『代替わりして一年近くも経てば、どんなバカでも誰が会長かわかるだろう』だと」
クリス「また屁理屈を……」
ケヴィン「まぁ、一通り挨拶は済ませていたし、ワイアットも怒っていないから問題ないんじゃないか?」
クリス「ワイアットさんの顔色をバロメーターにしているんですか?」
ケヴィン「ワイアットは実質、ゴールド家のボスだから」
ケヴィン「この場は使用人の皆さんに任せて、クリスは少し休んだらどうだ?」
クリス「そうですね……」
クリス「それにしても、さすがゴールド家主催のパーティー。政界に経済界……芸能界の大物までいますよ」
ケヴィン「オリビア・ベネットか。まさか本物を拝める日が来るとは……」
クリス「映画やテレビで見ても綺麗ですけど、実物は格別ですね」
オリビア「失礼、アレクシス会長はどちらにいらっしゃるのかしら?」
クリス「会長は、所用で席を……」
ケヴィン「隣の部屋にいますよ」
オリビア「あら、ありがとう」
クリス「……」
クリス「ケヴィンさん、教えて良かったんですか?」
ケヴィン「だって、オリビア・ベネットだぞ?」
ケヴィン「セシルだって会いたいだろう?」
クリス「あの会長が、女優を見てはしゃいだりするようには思えませんけど……」
オリビア「セシル、お久しぶりね」
セシル「あ?何でお前がここにいるんだ……」
クリス「知り合いみたいですね」
ケヴィン「……どういう関係だろう?」
オリビア「私の可愛いセシル。ずっと会いたかったのよ」
セシル「ふざけんな!とっとと出て行け、クソババア」
ケヴィン&クリス(本当にどういう関係……!?)
ケヴィン「おい、セシル!」
クリス(面倒だから関わらないでおこう……)
ケヴィン「お前、大女優になんてことを……」
セシル「女優もクソもあるか」
セシル「おいリック、すぐにこの女を摘み出せ!」
ケヴィン「待てよ」
ケヴィン「お前、この人とどういう関係なんだ?」
セシル「どういう関係って……」
セシル「この赤い髪に緑のアーモンドアイ。見覚えがないか?」
ケヴィン「え?」
ケヴィン(赤い髪に緑のアーモンドアイ……?)
ケヴィン「ジェシー・カーキ……?」
オリビア「あら、あなた私のジェシーを知っているの?」
ケヴィン「私の?」
ケヴィン「ってことは……もしかして、ジェシーのお姉さん?」
セシル「違う」
セシル「こいつは、ジェシーの『母親』だ」
ケヴィン「……え?」
ケヴィン「母親!?」
ケヴィン「あいつ、俺たちと同い年だったよな?」
セシル「そうだ」
ケヴィン「オリビア・ベネットって、確か36歳じゃ……」
セシル「何が36歳だ、こいつの実年齢は48歳だ」
ケヴィン「え……」
オリビア「あら、女優なんてみんなちょっとくらい歳を誤魔化しているものよ」
セシル「一回りは『ちょっと』とは言わねぇんだよ」
ケヴィン「ジェシーのお母さんってことはわかったけど……それにしても、友達のお母さんに対して態度が悪過ぎるだろう」
セシル「あ?口きいてやってるだけでも、感謝して欲しいくらいだ」
ケヴィン「いくらなんでも、お前らしくないぞ。何があったんだよ?」
セシル「……」
セシル「この女は、俺とジェシーの大切な曲を盗んで、自分の物にしたんだ」
ケヴィン「盗んだ?」
セシル「まだ無名だった頃、こいつが音楽プロデューサーに紹介してやるっていうから、俺たちの処女作を渡したんだ」
セシル「ところが、プロデューサーの反応が良かったもんだから、自分で作ったことにして売り出しやがったんだよ」
ケヴィン「まさか……」
ケヴィン「自分の息子の曲を横取りしたのか?」
オリビア「……」
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レイチェルとはまた違う方向で厄介なお母さん。
やる気スイッチです。応援よろしくお願いしますm(__)m