関係性は、本人よりも周囲の方がよく理解している。
↓Season 1のまとめは、こちら。
↓Season 2の第1話は、こちら。
ルナ「見て!お母さん」
ミア「ルナ、上手よ」
ハワード「やはり足の痛みは、人魚になる前兆だったようですね」
ミア「えぇ。ティーンを迎えて、無事に人魚になることができて良かったです」
ハワード「ルナちゃん、そろそろ人が増えてくる時間です」
ハワード「泳ぎの練習はここまでにして、家に戻りましょう」
ルナ「わかった!」
ウィル「レストランのメニューは決まった?」
バイオレット「候補は挙げたわ。あとは絞り込むだけよ」
ウィル「この調子なら、来月にはオープンできそうだ」
バイオレット「そうね」
ウィル「ところで……この料理、どうしたの?」
バイオレット「サンド・バーのマスターからもらったの」
ウィル「え?」
ウィル「……わざわざ家まで来たの?」
バイオレット「ウィル、警戒しないで」
バイオレット「マスターは、レストランのオープンをとても喜んでくれたわ」
ウィル「ライバルなのに……どうして?」
バイオレット「観光客が増えたことで、バーだけではお客さんを捌ききれないんですって。レストランのオープンが待ちきれないそうよ」
ウィル「そうか……これから協力し合えると良いね」
バイオレット「えぇ」
ルナ「ただいま」
バイオレット「お帰りなさい、ルナ」
ウィル「人魚の姿には慣れた?」
ルナ「うん!もうどこまででも泳げそう」
ウィル「それは良かった。絶対に家族以外の人には見られないようにね」
ルナ「気をつける」
ルナ「この料理、バイオレットの手作りじゃないよね。どうしたの?」
バイオレット「差し入れにもらったの。少し早いけど、ランチにしましょう」
ルナ「うん」
ウィル「ルナから人魚の話を聞いた時は、俄には信じ難かったけど……」
ウィル「俺たちも、すっかり慣れてしまったな」
ルナ「この島で暮らすなら、人魚との共存は必須だもんね」
バイオレット「ねぇ、ルナは高校を卒業したらどうするの?」
ルナ「大学に進学するよ。ライアンやリタみたいに、海洋生物学者を目指すの」
ミア「……ということは、この島を出ることになるのね」
ルナ「4年間だけだよ。大学を卒業したら、ちゃんと戻って来るから」
ミア「4年も離れているなんて、心配だわ……」
ルナ「私も島を出るのは不安だけど、向こうにはクリスやライアンがいるから大丈夫」
ルナ「私より、お母さんを残していく方が心配かな」
ミア「私?」
ハワード「大丈夫ですよ、ルナちゃん。ミアさんには私たちがついていますから」
バイオレット「……」
バイオレット「ハワードとミアは、不思議な関係ね」
ミア「え?」
バイオレット「一緒には暮らしていないし、交際もしていない。それでも、家族のようでもあるし、恋人のようでもある」
ミア「こ、恋人……?」
ウィル「知り合ってどれくらい経つんですか?」
ハワード「実際に顔を合わせたのは、3年ほど前でしょうか?」
ミア「はい」
ミア「でも、お互いの存在は8年前から知っていたわ」
バイオレット「8年?ずいぶん長いのね」
ウィル「もう交際どころか、結婚していてもおかしくないな」
ミア「け、結婚!?」
ウィル「こんなに仲が良いのに、何も進展がないなんて不思議ですね」
ハワード「不思議……ですか」
ハワード「ルナちゃんの学校でも、同じようなことを言われましたね」
ルナ「え?」
ハワード「戸籍上、養父はクリスさんになっていますから。ミアさんやルナちゃんとの関係性を聞かれて、苦労しました」
バイオレット「……正直、私もこの家に来たばかりの頃、ハワードとルナの関係性を理解するのに苦しんだわ」
ハワード「そうですか。では……」
ハワード「結婚しましょうか?」
ミア「え?」
ルナ「え!?」
ウィル「……え?」
バイオレット「……え?」
全員「………………」
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天才の発想こそが、不思議そのもの。
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