悪事はリスクが高ければ高いほど、大金になるものだーー
カタカタカタ……
バイオレット(手っ取り早く稼ぐには、やっぱりコレしかないわね……)
ローズ「お姉ちゃん、もう仕事見つかった?」
バイオレット「えぇ。たった今、申し込んだところよ」
バイオレット「あんたは何かやりたいことないの?」
ローズ「うーん。やりたいことか……」
ローズ「どうせなら、ファッションが楽しめる仕事が良いかな〜?」
バイオレット「あのね、仕事と趣味は違うのよ。もっと真剣に……」
コンコン
ローズ「お?……はーい!」
バイオレット「ローズ…!!」
ガチャ
ウィリアム「こんにちは」
ローズ「……こんにちは」
バイオレット「誰?……何か御用?」
ウィリアム「初めまして。最近引っ越して来た人達ですよね?」
ウィリアム「私は向かいの部屋に住んでいる、ウィリアム・グレーという者です」
バイオレット「……お向かいさん?」
ウィリアム「えぇ」
ウィリアム「この街で警官をしています」
バイオレット(警察……?)
ローズ「なんだ、お巡りさんか〜。どうぞ、上がって上がって」
バイオレット「こら、ローズ!」
ローズ「初めまして、私はローズ・ピンク。こっちは姉のバイオレット・ブラック」
バイオレット「……」
ウィリアム「急にお邪魔してごめんね。
仕事前に挨拶に寄っただけだから、すぐに帰るよ」
ウィリアム「マリオンにはもう挨拶したのかな?」
バイオレット「マリオン?」
ウィリアム「そう、彼女もこのフロアの住人なんだ。
そろそろ帰って来るはずだから、訪ねてみると良いよ」
ローズ「面白そう!お姉ちゃん、後で行ってみようよ」
バイオレット「……えぇ」
バイオレット(まさか、そいつも警官じゃないわよね?
隣人なら、素性くらいは把握しておいた方が良いかしら……)
コンコン
ガチャ
マリオン「はーい……って、あら?見慣れない顔ね」
(なんかすごいの出てきた……!!)
マリオン「あぁ、もしかしてウィルがいってた新しいお隣さん?
私はマリオン・レインボー。マリーちゃんって呼んでね」
バイオレット(笑って、ローズ!笑いなさい……!!)
「は、初めまして。バイオレット・ブラックとローズ・ピンクです」
ローズ「ハジメマシテー」
マリオン「どうぞ、自由に掛けてちょうだい」
ローズ「わぉ、見てお姉ちゃん!豪華なソファ!!」
マリオン「お姉ちゃん?……あんた達苗字が違うようだけど、姉妹なの?」
ローズ「姉妹です。ね、お姉ちゃん」
マリオン「ふーん……何か事情がありそうね。
まぁいいわ、私はバーを経営してるの。
この街には詳しいから、情報が欲しければ私に聞きなさい」
ローズ「実は、今仕事を探していて……。
マリーちゃんは、何か良い仕事知りませんか?」
マリオン「仕事ねぇ……。どんな業種を希望してるの?」
ローズ「ファッション関係が良いんだけど、未経験だしスキルもなくて……」
マリオン「あんた可愛い顔してるんだから、ファッションインフルエンサーを目指したら?」
ローズ「ファッションインフルエンサーだって。お姉ちゃん知ってる?」
バイオレット「……えぇ。自分自身がアイコンになって、流行を広める人でしょう?」
ローズ「何それ、面白そう!私やってみたい!!」
バイオレット「でも、仕事にするのは簡単じゃ……」
マリオン「メディア関係ならうちの常連さんが詳しいから、今度紹介してあげるわよ」
ローズ「お姉ちゃんにばかり苦労させられないもんね。私、頑張るよ!」
バイオレット「ローズ……」
マリオン「まぁ、なんて美しい姉妹愛なの」
バイオレット(とんでもないことになったわ……)
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