ファッションには、その人の人となりが表れるらしいーー
ローズ「バイオレット・ブラックさん。あなたにとってファッションとは何ですか?」
バイオレット「……何なの?突然」
ローズ「インタビューだよ。ファッションインフルエンサーになるには、まずはファッションを理解しないといけないんだって」
バイオレット「そう……でも、ファッションに興味のない私に聞かれてもね……」
バイオレット「他の人に聞いてみたら?」
ローズ「他の人にはもう聞いたよ」
ローズ「昨日、街頭インタビューをしてみたの」
バイオレット「街頭インタビュー?」
ローズ「すみません、あなたにとってファッションとは何ですか?」
男性A「ファッション……ですか? 」
男性A「すみません。普段は白衣ばかり着ているので、ファッションには疎くて……」
ローズ「お医者さんですか?」
男性A「えぇ、近くの病院で外科医をしています。
……といっても、もうすぐ引っ越しますけどね」
ローズ「どこに行くんですか?」
男性A「Sulaniという島に行くんですよ」
男性A「何もないところが魅力的な島ですが、医者がいないのは問題ですから」
ローズ「すみません、あなたにとってファッションとは何ですか?」
男性B「あ?ファッションか……」
男性B「金と権力をアピールする手段だな」
ローズ「ご職業は何ですか?」
男性B「投資家だ。この街で有望な若い人材を見つけ出して、投資するのが俺の仕事だ」
ローズ「お金持ちなんですね」
男性B「まぁな」
男性B「いつか、かの有名なゴールド家を抜いて、この街を支配するのが目標だ」
男性B「お嬢ちゃん可愛い顔してるな。愛人になるなら、資金援助してもいいぜ」
ローズ「考えておきまーす」
ローズ「すみません、あなたにとってファッションとは何ですか?」
男性C「シーッ」
男性C「今仕事中なんだ、今度にしてくれ」
ローズ「もしかして、ボディーガードさんですか?」
男性C「そんなところだ」
ローズ「セレブさんがいるんですか?」
男性C「セレブというよりは、大富豪の奥様だな」
レイチェル「リック、行くわよ!」
男性C「かしこまりました、奥様!
……またな」
レイチェル「ちょっと、護衛があんた一人しかいないってどういうことよ!?」
男性C「あー……レイチェル様嫌われてるから、撒かれたんじゃないすか?」
レイチェル「何ですって!!?」
ローズ「……社会勉強にはなったけど、ファッションの勉強にはならなかったかな」
バイオレット「何でよりによって、クセの強そうな人間にばかり話しかけるのよ」
ローズ「だって、普通の人に話しかけても勉強にならないでしょ?」
バイオレット「……仕事、楽しい?」
ローズ「うん、ファッションの勉強も人と話すことも好きだもん」
バイオレット「……そう。良い仕事に出会えて良かったわね」
ローズ「お姉ちゃん……」
バイオレット「とりあえず、愛人はダメよ」
ローズ「はーい」
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個人的には、レイチェルが可愛くて仕方ないです。
やる気スイッチです。応援よろしくお願いします。