好きなことに取り組む時間が、こんなにも楽しいとは思わなかったーー
エマ「キャアァァーー!!!!」
ケヴィン「こら、エマ!静かに……」
セシル「っ……あ"ぁぁ!! 今世紀最高の名曲が吹き飛んだ!!」
ケヴィン「……ごめん」
セシル「はぁ……。いや」
セシル「そもそも、チビ達が起きている時間に仕事をしようとした俺が間違ってた」
ケヴィン「俺が公園でも連れて行くから、仕事してろよ」
セシル「それより……」
セシル「せっかく絵を描くスペースを作ったんだ」
セシル「子供達は俺が見ておくから、久しぶりに絵でも描いたらどうだ?」
ケヴィン「でも……」
セシル「ほら、クロエ、エマ。言葉教えてやるからこっち来い」
ケヴィン「セシル」
セシル「何だよ?」
ケヴィン「虐待だけは……本当…それだけは……」
セシル「俺をどんな人間だと思ってんだ」
セシル「一つ言っておくが、俺は子供が嫌いなわけじゃない!」
セシル「話の通じない相手が嫌いなんだ!!」
ケヴィン(それが子供なんじゃ……)
セシル「言葉さえ覚えさせれば、問題ない」
ケヴィン「そう……なのか?」
セシル「よし、クロエ。まずはお前からだ」
セシル「簡単な言葉から練習するぞ」
クロエ「ことば?」
セシル「そう、言葉だ。良いぞ、お前は見込みがあるな」
ケヴィン(問題なさそうだな……)
ケヴィン(こうして筆を取るのは、何ヶ月ぶりだろう……?)
ケヴィン「できた!」
セシル「お疲れ」
セシル「楽しめたか?」
ケヴィン「あぁ……こんなに集中できたのは久しぶりだ」
ケヴィン「もうこんな時間か……クロエとエマは?」
セシル「昼寝中」
ケヴィン「そうか……ありがとう」
セシル「なぁ」
セシル「ここに越して来て3ヶ月だ。そろそろ画家の道に復帰したらどうだ?」
ケヴィン「でも……」
セシル「俺も協力するし、ベビーシッターを雇っても良い」
セシル「元々、そのつもりで同居したんだろ?」
ケヴィン「そうだけど……」
セシル「ケヴィン、次はお前が約束を守る番だ」
ケヴィン「……そうだな。
お前も一生懸命協力してくれていることだし、真剣に考えてみるよ」
セシル「まだ虐待を疑っているんじゃないだろうな」
ケヴィン「……」
セシル「黙るなよ」
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クロエとエマの見分けはつくようになりました。
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