目を逸らせば平和でいられるが、結末はわからないーー
セシル「おはよう」
ケヴィン「おはようって……もう夕方だぞ?」
セシル「クロエとエマは?」
ケヴィン「高校の説明会に行ってる」
セシル「そうか。お前は何してるんだ?」
ケヴィン「子供たちの進学に合わせて、荷物を整理しているんだ」
セシル「どうせ長期の休みには帰って来るんだから、そのままで良いだろう?」
ケヴィン「俺もそろそろ、出て行くことを考えようかと思って……」
セシル「出て行く?どうして?」
ケヴィン「お前はいつ結婚してもおかしくないんだ。いつまでも俺が居座ってたら、邪魔になるだろう?」
セシル「結婚って、そんな予定は……」
ケヴィン「セシル」
ケヴィン「ジェシー・カーキと付き合ってるだろう?」
セシル「……え?」
ケヴィン「ずっと気づいてたよ。『親友』だからな」
ケヴィン「まぁ、お前は俺を親友だと思っているかは、わからないけど」
セシル「……どういう意味だ?」
ケヴィン「どうして恋人のこと、俺に言わないんだ?子供の頃から、俺はお前に何でも話して来ただろう?どうしてお前は、大切なことは何一つ話そうとしない?」
セシル「……」
セシル「話したところで、どうにもならないからだ」
ケヴィン「そんなのわからないだろう?」
セシル「わかるよ」
ケヴィン「セシル……」
セシル「そんなに気になるなら、一つ教えてやるよ」
セシル「俺は、お前のことが好きだ。友情じゃない。リリアンがお前を想うように、俺だってお前を想っていた」
ケヴィン「……」
セシル「クロエやエマが生まれるよりもずっと前から、お前がリリアンと出会って恋に落ちるよりもずっと前から、お前のことが好きだったんだ」
ケヴィン「………………知らなかった」
セシル「どうせ伝えたところで、受け入れられるわけがない」
ケヴィン「そんなこと……」
セシル「そうだろう?だったら選べよ、俺とリリアンどっちが大切だ?俺と子供たち、どっちが大切なんだ?」
ケヴィン「俺には……みんな大切だよ」
セシル「逃げるなよ、ケヴィン・グリーン。リリアンよりも、俺の方が大切だと言えるか?」
ケヴィン「……」
ケヴィン「俺は……」
ケヴィン「……俺は、リリアンを裏切れない」
セシル「……」
ケヴィン「セシル?待てよ!」
セシル「もういい」
ケヴィン「どこ行くんだよ、まだ話は……」
セシル「もういい!」
セシル「お前といると辛い想いばかり……ジェシーは、俺にこんな想いはさせない」
パタン
ケヴィン「セシル……」
----------------------------------------
セシルは0か100か。全く何も言わないか、言わなくて良いことまで言うか。
やる気スイッチです。応援よろしくお願いしますm(__)m