どんなチャンスが訪れようと、気持ちは揺るがない。
↓Season 1のまとめは、こちら。
↓Season 2の第1話は、こちら。
セシル「絵画なんて、何が良いんだ?」
セシル(ケヴィンの才能は認めているが、正直、たった一枚の絵に数十万シムオリオンもの値がつく理由がわからない)
セシル(音楽なら、子供の小遣い程度の金額で大勢の人が楽しめるのにな……)
セシル「……」
セシル(リリアン……?)
セシル「……まさかな」
ケヴィン「セシル」
セシル「ケヴィン……」
ケヴィン「よく来たな。仕事、暇なのか?」
セシル「お前が個展開催するから見に来いって、呼び出したんだろう」
ケヴィン「たまには美術館でデートするのも良いだろう?」
セシル「……そうだな」
ケヴィン「どうした?」
セシル「……」
セシル「今、リリアンが……」
ケヴィン「あぁ、リリーのことか」
セシル「リリー?」
ケヴィン「美大生で、俺のアシスタンをしてもらっている子だ。リリアンにそっくりだろう?」
セシル「……顔だけでなく、名前まで似ているな」
ケヴィン「俺も初めて会った時は、驚いたよ」
セシル「……」
セシル「別れ話のために俺を呼んだのか?」
ケヴィン「え?」
ケヴィン「……悪い、セシル。話が全然見えない」
セシル「リリーは、本当にただのアシスタントなのか?」
ケヴィン「……」
ケヴィン「まさか俺とリリーの仲を疑ってるのか?」
セシル「だって、お前はああいう女の子が好みだろう?」
ケヴィン「あのな、セシル……」
ケヴィン「リリアンに似ていて、クロエやエマと歳の近い女の子だぞ?」
セシル「若くて好みのタイプなんて、最高だな」
ケヴィン「違う!」
ケヴィン「俺はリリーを娘のように思っているってことだ」
セシル「……そうなのか?」
ケヴィン「そうでしかないだろう」
ケヴィン「リリーは、美大に通いながら複数のアルバイトを掛け持ちしていたんだ。クロエやエマくらいの年頃の女の子が苦労していると思ったら放っておけなくて、うちで正式にアシスタントとして雇うことにしたんだよ」
セシル「……」
ケヴィン「お前、俺が本気でリリーを恋愛対象に見ていると思ったのか?」
セシル「他の人なら疑ったりしない。でも……リリアンは特別だ」
ケヴィン「……」
ケヴィン「お前の言う通り、リリアンは特別だ。今までもこれからも、忘れることはない」
ケヴィン「でも、リリアンはもういないんだ」
セシル「……」
ケヴィン「正直、リリーを雇うのには抵抗があった」
セシル「どうして?」
ケヴィン「リリアンは料理が得意だったけど、リリーは料理が苦手だ。リリアンには兄がいたけど、リリーには妹と弟がいる」
ケヴィン「あの子と話せば話すほど、リリアンはもういないって思い知らされる」
セシル「……」
ケヴィン「でも、リリーは俺の下で働くことを希望していたし、実力も申し分ない。なによりサマンサが気に入ったようだから、雇うことにしたんだ」
セシル「サマンサ?」
ケヴィン「サマンサは知っているだろう?俺のアシスタントだ」
セシル「あぁ……気に入ったって?」
ケヴィン「サマンサとリリーは、今良い感じなんだ」
セシル「そうなのか」
ケヴィン「あぁ。リリーには恋人候補がいるし、俺には婚約者がいる」
ケヴィン「お前はすっかり忘れているようだけどな」
セシル「……」
セシル「悪かった。もうお前を疑うようなことはしない」
ケヴィン「セシル……」
セシル「お前も俺を疑ったりしないよな?」
ケヴィン「もちろんだ」
セシル「良かった。実は今度ジェシーと二人で飲みに……」
ケヴィン「ダメだ」
セシル「作曲家をしていた頃の付き合いで……」
ケヴィン「絶対にダメ」
セシル「………………」
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セシルとジェシーとケヴィンで飲みに行くことになりました。
やる気スイッチです。応援よろしくお願いしますm(__)m