距離を置きたがる人もいれば、あえて近付きたがる人もいるーー
バイオレット「あぁ、もう……嘘でしょう」
ウィル「あれ?バイオレット?」
バイオレット「あ、えっと……ウィリアムさん?」
ウィル「ウィルで良いよ。どうかしたの?」
バイオレット「水道管が壊れたの。配管業者を呼んだんだけど、なかなか来てくれなくて……」
ウィル「そう……俺が見ようか?」
バイオレット「大丈夫、もう来ると思うから」
ウィル「都会の業者は忙しいんだ。今日中には来ないかも知れないよ?」
バイオレット「……」
ガチャ ガチャ
ウィル「よし、これで大丈夫」
バイオレット「器用なのね」
ウィル「警官は雑用が多いからね。この程度ならなんてことないよ」
バイオレット「その……ありがとう。よかったらコーヒーでもいかが?」
ウィル「あぁ、せっかくだからもらおうかな」
ウィル「日中はいつも家にいるようだけど、仕事はしているの?」
バイオレット「えぇ」
ウィル「そういえば、この間銀行の搬入口で見かけたけど……何の仕事?」
バイオレット「け、警備員なの」
ウィル「警備員?」
ウィル「若い女の子が就く仕事じゃないな……」
バイオレット「人と接するのは苦手なのよ」
ウィル「ローズとは二人で暮らしているの?」
バイオレット「えぇ」
ウィル「出身は……」
バイオレット「職質するつもり?」
ウィル「あぁ、ごめんね。職業柄、ついクセで」
バイオレット「……」
ウィル「女の子の二人暮らしじゃ、なにかと大変でしょう?
困った時は、遠慮しないで声をかけてね」
バイオレット「……どうして親切にしてくれるの?」
ウィル「君が良い子だからかな」
バイオレット「良い子?」
ウィル「妹想いの優しい子だ。人を見る目には自信があるよ」
バイオレット「そう……」
(……犯罪キャリアなんですけど)
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悪いことはしていないけど、 パトカーを見るとドキドキします。
やる気スイッチです。応援よろしくお願いします。