正しい答えは、すでに自分の中にある。
↓Season 1のまとめは、こちら。
↓Season 2の第1話は、こちら。
バイオレット「ここが例の空き物件……?」
バイオレット「民家じゃなかったの?」
ウィル「自宅を改装して、パーティー会場として貸し出していたらしいよ」
ウィル「奥には居住スペースもあるから、ここなら新居兼レストランにできる」
バイオレット「……そうね」
ウィル「街の中心地だから、レストランを開けば、観光客だけでなく島民も来てくれるだろうね」
バイオレット「最高だわ……」
ウィル「……バイオレット?」
ウィル「どうしたの?あまり乗り気じゃないみたいだ」
バイオレット「え?」
バイオレット「そんなことないわ。ただ……」
バイオレット「いざ夢を実現できると思うと、足がすくんでしまって……」
ウィル「……」
ウィル「大丈夫。先輩だってルナだって、才能のない人に勧めたりしないよ」
ウィル「それにレストランの実現は、バイオレットだけの夢じゃない。島民の願いでもあるんだ」
ウィル「素晴らしい才能を持っているなら、この島のために活かしてみない?」
バイオレット「ウィル……」
バイオレット「そうね。失敗しても、失うものなんてない」
バイオレット「やるだけやってみようかしら」
ウィル「その意気だ」
ウィル「帰ったら、管理者に早速問い合わせてみよう」
バイオレット「えぇ」
バイオレット「ハワードとルナにも報告しないとね」
ウィル「ただいま」
ルナ「お帰りなさい」
バイオレット「宿題をしているの?偉いわね」
ルナ「足の痛みが引いているから、今のうちにね」
バイオレット「……まだ治らないのね」
ルナ「うん。でも大丈夫、少しずつ落ち着いてきてるから」
バイオレット「そう……」
ハワード「物件はいかがでしたか?」
バイオレット「とても気に入ったわ」
ウィル「レストランとしてはもちろん、新居にも最適です」
ルナ「新居?」
ウィル「新しいお家だよ。ようやく二人で住める場所が見つかったんだ」
ルナ「え?ウィルとバイオレット、引っ越しちゃうの?」
ウィル「いつまでもこの家でお世話になるわけにはいかないからね」
バイオレット「引っ越すと言っても、ハワードの診療所のすぐ近くよ。いつでも会えるわ」
ウィル「作物の世話があるから、この家には定期的に戻って来るしね」
ルナ「そう、定期的だよ。毎日じゃない」
バイオレット「え?」
ルナ「今までよりは、絶対に一緒に過ごす時間は減っちゃう」
ルナ「私たちは家族でしょう?また家族がバラバラになるなんて、嫌だよ」
ウィル「ルナ……」
バイオレット「……そうか」
バイオレット「そうだったわね……」
ウィル「バイオレット?」
バイオレット「……あぁ、ごめんなさい」
ウィル「ローズのことを思い出したの」
ウィル「ローズ?」
バイオレット「昔、アパートから引っ越すって提案をした時に、反対されたのよ」
バイオレット「引っ越せば毎日会えなくなる。マリーちゃんやウィルと離れたくないって」
ウィル「……そうだったのか」
ハワード「私としては、あなた方にいて頂いた方が助かります」
ハワード「作物の世話も食事の用意も、ウィリアムとバイオレットさんなしには務まりませんから」
ハワード「きっと、クリスさんも同じ意見です」
バイオレット「ハワード……」
ウィル「ローズに反対された時は、どうしたの?」
バイオレット「知っての通りよ。引っ越しは止めたわ」
ウィル「引っ越さなくて良かったと思う?」
バイオレット「もちろん。広い家よりも大切なものを手に入れられたもの」
ウィル「それじゃあ、今回も?」
バイオレット「えぇ、中止ね」
ルナ「本当?」
ウィル「ルナ、もう少しここにいても良いかな?」
ルナ「ずっとここにいて!」
バイオレット「ありがとう、ルナ」
ハワード「レストランのオープンは決定。ウィリアムとバイオレットさんは、この家に留まる。家族会議は最高の形でまとまりましたね」
ルナ「うん!」
ウィル「バイオレットはレストランのオープン、俺はレストランに出す食材を育てることに注力しよう」
バイオレット「そうね」
ウィル「いつか、ローズやマリオンを招待できると良いね」
バイオレット「……えぇ」
バイオレット「いつか絶対に叶えてみせるわ」
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レストランの居住スペースは、ゲストルームにする予定です。
↓ローズが反対した引っ越しのお話は、こちら。
やる気スイッチです。応援よろしくお願いしますm(__)m