内側と外側では、見える世界が異なるーー
↓Season 1のまとめは、こちら。
↓Season 2の第1話は、こちら。
ハワード「昨日はよく眠れましたか?」
ウィル「はい」
ハワード「家の前に、まずは仕事を探さなけばなりませんね。あなた達は、引き続きあの寝室を使ってください」
ウィル「良いんですか?」
バイオレット「居候させてもらうのに、あんな良い部屋申し訳ないわ……」
ハワード「気にしないでください。放置しておくよりも、使ってもらった方が部屋も喜びます」
ハワード「そうそう、ウィリアム。園芸に興味はありますか?」
ウィル「はい。経験はないけど、知識はあります」
ハワード「良かった!実は、クリスさんから作物の世話を任されているのですが……私は知識すらないので、あなたに管理してもらえると助かります」
ウィル「何を育てているんですか?」
ハワード「色々ありますよ」
ハワード「一般的な野菜や果物、それから花。この島特有の作物も何点か」
ウィル「面白そうですね」
ハワード「上手く育てれば、それなりの収入になるはずです。この豪邸も、作物を販売した収益で建ったようなものですから」
ウィル「そうなんですか?」
ハワード「希望する仕事がないのであれば、園芸家がおすすめですよ」
ハワード「そうそう、確かクリスさんの園芸本があったはずです。探して来ますね」
ウィル「お願いします」
バイオレット「ウィル……あの人には、私のこと話したの?」
ウィル「いや、話そうかとも思ったけど……不安にさせるだけだから」
ウィル「法的には解決しているし、組織が君を追っているという情報もない。このまま、余計な心配をかけずに過ごしたいんだ」
バイオレット「……そうね」
ルナ「あれ?ハワードは?」
ウィル「本を取りに行ったよ」
ルナ「そう……」
ルナ「ウィルとバイオレットは、ずっとこの家にいるの?」
ウィル「ずっとじゃないよ。自分たちの家が見つかるまでかな」
ルナ「そうなんだ……」
バイオレット「元気ないわね。どうしたの?」
ルナ「クリスやライアン、リタ、エイデン……今までこの家には、たくさんの人がいたの。でも皆、出て行っちゃった」
ルナ「だからウィルとバイオレットが、ずっといてくれたら良いな……って思ったの」
ウィル「そうか……寂しいんだね」
ルナ「ハワードがいてくれるけど……この家は広すぎて、ちょっと寂しいかも」
バイオレット「ルナ……」
バイオレット「現在、この島に空いている物件はないみたい。しばらくこの家にお世話になると思うわ」
ルナ「本当?良かった!」
ルナ「それじゃあ、ハワードのところに戻るね。身体測定しなくちゃ」
ウィル「身体測定?」
ルナ「うん。身長と体重を測って、体を観察するの」
ウィル「……」
バイオレット「……」
バイオレット「ちょっと待って。もしかしてそれ、頻繁にしてるの?」
ルナ「?頻繁じゃなくて、毎日だよ」
バイオレット「……」
バイオレット「ウィル、ハワードってルナの本当のお父さんじゃないんでしょう?」
ウィル「確か、ルナは預かっている子だって聞いたけど……」
バイオレット「あの人、変質者じゃないでしょうね?」
ウィル「先輩が?まさか……」
バイオレット「毎日身体測定なんて、どう考えてもおかしいわよ!」
ハワード「園芸本が見つかりましたよ」
ハワード「本棚に置いてあるので、好きな時に読んでください」
ウィル「ありがとうございます」
ルナ「ハワード、身体測定する?」
ハワード「あぁ、もうそんな時間ですか。では、行きましょうか」
バイオレット「あ、あの……」
ハワード「バイオレットさん?どうしました?」
バイオレット「私もついていて良い?」
ハワード「えぇ。構いませんけど……」
ハワード「医学に興味があるんですか?」
バイオレット「あ、その……」
バイオレット「看護師に転職しようかと思って」
ウィル(バイオレットは、本当に嘘が下手だな……)
ハワード「そうですか。この島には医学に興味を持つ人が少ないので、嬉しいですね」
ハワード「では、行きましょうか」
バイオレット「見張って来る!」
ウィル「いってらっしゃい」
ウィル「やましいことなんて、何もないと思うけどな……」
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刑事センサーには引っ掛からなくても、お姉ちゃんセンサーには引っ掛かったようです。
やる気スイッチです。応援よろしくお願いしますm(__)m