
時には、立ち止まって昔を振り返ることも大切ーー
クリス「まさか、本当にあの二人が結婚するとは……」
クリス「正直、リタが婚約破棄するって言い出すんじゃないかと、内心冷や冷やしていたんですけどね……」
ハワード「無事に式を挙げることができて、本当に良かったです」
ルナ「ライアン、リタ、おめでとう」
ライアン「ありがとう、ルナ」
クリス「ライアン、見たところお前の親族は来ていないようだけど……親御さんには、ちゃんと報告したんだろうな?」
ライアン「何をっすか?」
クリス「いや、だから結婚のことだよ」
ライアン「あ……」
クリス「……」
クリス「お前まさか……」
ライアン「良いんですよ、どうせ親も息子がいたことなんて忘れてますから」
クリス「どんな親だよ……」
ライアン「そんなことより、今日はもう一つおめでたい報告があるんですよ」
クリス「何だ?」
リタ「赤ちゃんができたの!」
クリス「……本当に?」
ハワード「本当です」
クリス「おめでとう、リタ。ということは……」
クリス「実家に結婚を報告することも忘れていた男が、父親になるのか……」
ライアン「いやー、おめでたいことって続くもんっすね!」
クリス(不安しかないな……)
ライアン「早くベイビーに会いたいな」
リタ「そうね」
ハワード「半年後のお楽しみですよ」
クリス(あれ?なんで俺、当事者以上に不安を感じているんだろう……)
リタ「そうだ、クリス。この子の名前は、あなたに決めて欲しいの」
クリス「俺が……?」
ライアン「そうっす。先輩には、子供の後見人になって欲しいんですよ」
クリス「でも、俺にはルナが……」
ハワード「ルナちゃんは、私に任せてください」
クリス「あんたは本当にブレないな」
ライアン「別に父親になってくれって言ってるわけじゃないですから」
リタ「私達に万が一のことがあったら、お願いしたいだけよ」
クリス「万が一のことがあっては困るけど……わかったよ」
リタ「ありがとう、クリス」
クリス(ついこの間まで、大学生活に戻りたいなんて思っていたのに……)
クリス(フラフラしていたあのライアンが、夫になり父親になるのか)
クリス(きっと部長も、誰かと結婚しているんだろうな……)
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何年経っても、部長が大好きなクリス。
やる気スイッチです。応援よろしくお願いしますm(__)m