小さな対立は、やがて大きな対立へと発展するーー
レイチェル「なぜかしら?リックには私の力が効かない……」
キース「アレクサンダー同様、体質的に効きにくいのかもしれないな」
レイチェル「ヴァンパイアの能力に耐性を持ってる人間なんて、そうそういないはずよ」
レイチェル「まして、この私の力を跳ね除けるなんて……普通の人間にできるわけがない」
キース「……まぁいい。リックが使えないのなら、他の手段を考えるまでだ」
レイチェル「そういえば、リックから良いことを聞いたわ」
キース「良いこと?」
リック「アレクシス・ゴールドはすでにこの世に存在しない」
レイチェル「……どういう意味?」
リック「アレクシス様は自身の戸籍を抹消して、名前も姓も異なる別人として新たな生活を送っています」
リック「もちろん、ゴールド家の人間であることは誰にも明かしていません。新たな仕事を見つけて、家庭を持とうとしている」
リック「アレクシス様がこの家に戻って来ることは、二度とないでしょう」
レイチェル「……この話が本当なら、わざわざ危ない橋を渡ってまでアレクシスを消す必要はないわね」
キース「確かに。少なくともワイアットは、お前とリックの関係に気づいているだろう」
キース「アレクシスに万が一のことがあれば、真っ先にお前が疑われることになる」
レイチェル「どこまでもわずらわしい男ね」
キース「アレクシスよりも、アレクサンダーを追い詰める方が効果的だな」
レイチェル「どういう意味?」
キース「レイチェル、ゴールド家の親族達にコンタクトを取れ」
レイチェル「親族なんているの?」
キース「アレクシスの母親との結婚を反対された際、アレクサンダーは親族を不当に追い出
したんだ」
キース「ゴールド家に恨みを持っている人間は、少なくないだろう」
レイチェル「……なるほどね」
キース「財閥の連中とも接触して、反ゴールド同盟を作るんだーー」
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先日、息子さんが敵対同盟に加入しましたよ。
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