Sims 7 days

PC版『The Sims4』の創作Blogです。シムたちのオリジナルストーリーを展開中。※一部BL要素を含みます。

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【Sims4】#5 出自への執念【Del Sol Valley】

 

 Season 1のまとめは、こちら。 

 Season 2のまとめは、こちら。 

 

 

ハンナ「エイベル先生。ご決断を」

 

エイベル「絶対に嫌だ」

 

ハンナ「どうしてですか!?」

エイベル「どうしてだと?決まってるだろう」

 

エイベル「オカルト作家である俺が、歴史小説なんて書けるわけがない」

 

ハンナ「いやいや、先生のオカルト小説は三流ですが、歴史小説としては評価が高いんですよ」

 

ハンナ「もうマイナーなオカルト作家なんて肩書きは捨てて、人気の高い歴史作家に転向したら良いじゃないですか」

エイベル「ふざけんな!」

 

エイベル「俺の目標は、あくまでオカルト小説でベストセラーを出すことなんだよ。歴史小説でベストセラーなんて出しても、嬉しくもなんともない」

 

ハンナ「どうしてオカルトにこだわるんですか?うちの出版社のためにも、売れる小説を書いてください」

エイベル「オカルトは、俺が興味を持てる数少ない趣味の一つなんだ」

 

エイベル「オカルト小説にこだわるのは金のためじゃない。興味を持てないことに時間を割くくらいなら、作家なんて辞めてやる」

 

ハンナ「もう、本当に頑固なんだから……」

エイベル「うるせぇ、お前とこれ以上話すことはない。上にも歴史小説なんて書かないと伝えておけ」

 

ハンナ「わかりました。これで先生が干されても、私を恨まないでくださいね」

エイベル「上等だ」

 

エイベル「俺が他の出版社でベストセラー出しても文句言うんじゃねぇぞ」

ハンナ「はいはい、そんな日が来ると良いですね」

 

ハンナ「失礼します」

 

エイベル「ったく、三流担当め……」

ハンナ「聞こえてますよ!」

 

セドリック「エイベル様」

 

セドリック「昼食の準備が整いました」

エイベル「あぁ」

 

 

 

セドリック「エイベル様は、オカルトがお好きなのですね」

 

エイベル「好きというか……オカルトに頼らざるを得なくてな。調べているうちにオカルトの魅力に惹かれたんだ」

 

セドリック「頼らざるを得ない?」

エイベル「俺の両親は、俺の出自について何か隠したまま亡くなったんだ」

 

セドリック「出自について問題でも?」

エイベル「それがわからないんだよ」

 

エイベル「教育係の話では、俺には『高貴な血』が流れているらしい」

 

エイベル「何か特殊な血筋だということは想像できるが、その正体がわからない」

 

エイベル「俺なりに調べたみたんだが、父親の血筋は辿れても、母親の血筋に関する情報は一切出てこなかった」

 

エイベル「母親の血筋に、何か大きな秘密が隠されている気がしてならないんだ」

セドリック「……」

 

エイベル「両親が亡くなった以上、降霊術でも使わないと『高貴な血』の意味を知る術はないと思って……」

 

セドリック「オカルトに頼ることにしたと?」

エイベル「そうだ」

 

セドリック「エイベル様は、そうまでしてご自身の出自を知りたいのですか?」

エイベル「あぁ」

 

エイベル「自分が何者かわからないまま生きるなんて、苦痛でしかない」

 

セドリック「……」

 

セドリック「もしもご自身の出自を知る手段があるとしたら、どうしますか?」

 

エイベル「もちろん、なんとしてでも出自を突き止める」

 

エイベル「それが、どんなに危険な手段であったとしてもな」

 

セドリック「……そうですか」

 

 

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