何気ない言動も、受け取り方は人それぞれ。
↓Season 1のまとめは、こちら。
↓Season 2の第1話は、こちら。
ケヴィン「なるほどな……」
ケヴィン「Windenburgの領主だったゴールド家が、San Myshunoの開発を担当することになったのは、15代目の弟がSan Myshunoの市長になったからか」
ワイアット「その通りです。以来ゴールド家は、San Myshunoと深い繋がりを築いてきました」
ケヴィン「そうだったのか……」
ケヴィン「歴史の勉強なんて退屈だろうと思っていたけど、セシルに関係があると思うと面白いな」
ケヴィン「ワイアットの教え方が上手いおかげ……」
ケヴィン「うわっ!びっくりした」
ワイアット「イヴ……何をしている?」
イヴ「どうぞお気になさらないでください」
ケヴィン「いや、すごく気になるんだけど……」
ワイアット「申し訳ありません、ケヴィン様。少々お待ちください」
ケヴィン「わかった」
ワイアット「イヴ、私に何か用か?」
イヴ「火急の用件はありません。ただ……」
イヴ「最近、ワイアット様に避けられている気がして不安なのです」
ワイアット「……」
ワイアット「何度も言うようだが……私は君と交際するつもりはない」
イヴ「なぜです?私がヴァンパイアだからですか?それとも……」
イヴ「私がレイチェル・レッドの妹だからですか?」
ワイアット「イヴ……」
ワイアット「君が何者でも構わない。ただ、理解できないだけだ」
イヴ「理解できない?」
ワイアット「……どうして私なのだ?」
イヴ「え?」
ワイアット「君にふさわしい相手なら、他にもいるはずだ。なぜ私でなければならない?」
イヴ「……」
イヴ「初めてだったから」
ワイアット「え?」
イヴ「私を守ってくださったのは、ワイアット様が初めてだからです」
ワイアット「……守る?」
イヴ「聞いてしまったのです。リック様との会話を」
イヴ「あれは、私がこの屋敷にお仕えして間もない頃でした……」
リック「やはり、イヴをこの屋敷に置くのは危険だ」
ワイアット「リック……」
ワイアット「その件については、すでに話し合ったはずだ」
ワイアット「イヴは仕事を完璧にこなしているし、旦那様に対しても従順だ。理由もなしに解雇することはできない」
ワイアット「そもそも、君がイヴの経歴に問題ないと判断したんだろう?」
リック「お前が、早急にメイドを寄越せと急かすから……」
リック「いいか?イヴは経歴に問題がないんじゃない、経歴そのものがないんだ」
リック「このまま雇い続ければ、旦那様に危険が及ぶかもしれない」
ワイアット「ならば、イヴが危険だという証拠を示してくれ」
リック「ワイアット……」
ワイアット「私はこの家の執事長だ。部下を取りまとめるのが私の務めであり、守ることもまた大切な務めだ」
ワイアット「不当な解雇を認めるわけにはいかない」
リック「……アレクシス様に危険が及ぶかもしれないんだぞ?」
ワイアット「それなら、君たちがお護りすれば良い。それが護衛係の務めだろう?」
リック「……」
イヴ「……」
ワイアット「……私は、責任を果たしただけだ」
イヴ「それでも、私にとっては特別だったのです」
ワイアット「特別?」
イヴ「ずっと、一人で生きてきました」
イヴ「あの通りの姉ですから、遊び歩いて家になど寄りつきもしない」
イヴ「その間、私は家に一人きり。支えてくれる人も、守ってくれる人もいませんでした」
ワイアット「……」
イヴ「ワイアット様は、私の気持ちなど受け入れてくれないとわかっています。それでも……」
イヴ「お慕いしています」
ワイアット「イヴ……」
マリオン「え?San Myshunoにいるの?」
マリオン「そう……良いわ。その時間なら、ちょうど店を閉める頃よ」
マリオン「わかった、その時に返事を伝えるわ」
マリオン「……そうよ。もう決めたの」
ジェシー『うん、何も感じない』
ジェシー『やっぱり俺たちは、恋人なんて無理だな』
マリオン「……」
マリオン「えぇ、待ってるわ。レオン」
----------------------------------------
義務教育で教わるレベルの勉強に、逐一感動するケヴィン。
やる気スイッチです。応援よろしくお願いしますm(__)m