いつだって喜びと不安は、隣り合わせ。
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ケヴィン「お帰り、マリア!」
ケヴィン「検診はどうだった?」
マリア「順調ですよ。このまま問題なく出産できそうです」
セシル「そうか。検診にはリックが付き添ったのか?」
マリア「はい」
ケヴィン「言ってくれれば、俺が付き添ったのに」
セシル「お前が付き添うと、何かと口を出して来て煩わしいんだ」
ケヴィン「煩わしい?俺はマリアのためを思って……」
マリア「あの……旦那様、ケヴィン様」
マリア「実は、嬉しいお知らせがあるんです」
セシル「嬉しいお知らせ?」
マリア「お腹の子供は、双子だそうです」
セシル「……え?」
ケヴィン「……え?」
セシル「待て。注文したのは一人だぞ?」
ケヴィン「注文って、お前……」
マリア「私も予想外でしたが、一度に二人のお子様に恵まれるなんて、こんなに嬉しいことはありません」
マリア「これからこの家は、ますます賑やかになりますね」
セシル「双子だと……また?」
ケヴィン「どうして俺を見るんだ」
セシル「一人の人間の親になるにも覚悟が必要なのに、一度に二人なんて……」
ケヴィン「セシル」
ケヴィン「大丈夫。俺たちは、双子の育て方を知ってるだろう?」
セシル「クロエやエマの時は気楽だった。何が起きても、ケヴィンの責任にできたからな」
セシル「でも、今回は違う。双子に何かあれば、全部俺の責任だ」
ケヴィン「……クロエやエマにも責任持てよ」
ケヴィン「セシル。双子は俺たち二人の子供だ。何があろうと、俺たち二人の責任だ」
ケヴィン「お前が一人で背負うことなんて何もない。そうだろう?」
セシル「ケヴィン……」
セシル「そうだな」
ワイアット「双子?」
リック「あぁ。生まれたら忙しくなるぞ」
ワイアット「そうか。Windenburgの使用人たちに知らせたら喜ぶだろう」
リック「あいつらは誰よりも暇を持て余してるからな」
ワイアット「性別はまだわからないのか?」
リック「あぁ」
リック「俺としては、このまま出産が無事に終わってくれればそれで良い」
ワイアット「出産に集中できるように、マリアの仕事は別のメイドに引き継がせよう」
リック「そうしてもらえると助かる」
リック「……」
リック「お前はいつも人の心配ばかりだな」
ワイアット「……それが私の仕事だ」
リック「仕事も結構だが、イヴとはどうなってるんだ?」
ワイアット「どうなっているとは?」
リック「結婚だ。考えていないのか?」
ワイアット「……」
ワイアット「私たちの結婚に、意味はあるのだろうか?」
リック「え?」
イヴ「さぁ、エリカ様。夕食の時間ですよ」
ワイアット「イブは、ヴァンパイアだ」
ワイアット「ジュリアン様の話によると、ヴァンパイアは老いることもなく永遠を生きるらしい」
ワイアット「私が年老いて亡くなっても、イヴは変わらない姿のまま永遠を生きることになる」
ワイアット「同じ時を生きることのできない私たちが結婚して、何の意味がある?」
リック「ワイアット……」
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案外、真剣に考えていたワイアット。
やる気スイッチです。応援よろしくお願いしますm(__)m