目に見えないだけで、敵は身近に迫っている。
↓Season 1のまとめは、こちら。
↓Season 2の第1話は、こちら。
クリス「Sulaniが自然保護区から外される?」
クリス「本当ですか?」
ハワード「はい。島民の間でも噂になっています」
ライアン「自然保護区から外されるという噂なら、以前からありましたよね?」
ウィル「噂だけなら良いけど、実際に密猟者の増加や環境汚染が深刻化しているんだ」
ウィル「この間も、ルナが自宅付近で密漁者を見つけた」
ライアン「自宅付近で?」
クリス「観光客すら近寄らない場所だったのに……」
ウィル「最近は、滝を目当てにやって来る観光客も少なくないよ」
ライアン「それで?密漁者はどうしたんだ?」
ウィル「密漁は違法であると伝えて追い払ったけど、また繰り返すだろうな」
クリス「何か手立てはないのか?」
ウィル「ダイバーや漁師が協力してパトロールを強化しているけど、逮捕できるわけじゃない」
ウィル「密漁者も、俺たちが何の権限も持たないと知っているから、注意をしても別の場所に移動するだけだ」
クリス「イタチごっこだな」
ハワード「せめて、この島に警察官がいてくれると良いのですが……」
クリス「ウィルは、確か元警察官だったよな?」
ウィル「あぁ」
ウィル「揉め事があれば仲裁に入るようにはしているけど、限界がある」
ウィル「それに……警察官がいたとしても、対処できる問題ではないような気がする」
クリス「どういう意味だ?」
ウィル「密漁者に注意した時、気になることを言っていたんだ」
密漁者「ここが私有地だとは知らなかった。悪かったな、すぐに退散するよ」
ウィル「お前たちのことは、国に報告するからな」
密漁者「そりゃ良い。大騒ぎしてくれれば、こっちの仕事がはかどる」
ウィル「え?」
密漁者「おい、余計なことは言うな。行くぞ」
ウィル「……」
ライアン「仕事って?」
ウィル「わからない。でも、国への報告を歓迎する密漁者なんて、おかしいだろう?」
ライアン「……」
ライアン「国に報告すれば、どうなると思います?」
クリス「え?」
ハワード「自然保護区としてのSulaniの評価が下がります」
クリス「自然保護区から外れる可能性が高まるな」
ライアン「自然保護区から外れたら?」
ウィル「漁業でも土地の売買でも、何でもできる。それこそ、大規模な開発事業だって可能だ」
ハワード「……密漁が目的ではなく、Sulaniを自然保護区から外すことが目的だと?」
ライアン「もしかしたら、大きな組織が絡んでいるのかもしれませんね」
クリス「……」
ライアン「この件は、帰ったら俺の団体に調べさせます」
クリス「俺も、ゴールド財閥が何か掴んでいないか調べてみる」
ウィル「頼むよ」
ハワード「お願いします」
ライアン「先輩」
ライアン「俺たちって、何年経っても変わりませんね」
クリス「結局、また公共施設にお世話になるのか」
ライアン「先輩はレストランに泊まったらどうですか?」
クリス「そんなわけにはいかないだろう」
クリス「久しぶりに星空の下で寝るのも、悪くない」
クリス「……今回の件、お前はどう思う?」
ライアン「別に驚きません。Sulaniは元々、無防備でしたから」
ライアン「いつか悪い奴に目をつけられると思っていましたが……いよいよ現実になったってところですね」
クリス「どう対処するつもりだ?」
ライアン「今までのように、ただ寄付を集めるだけでは不十分です」
ライアン「Sulaniを意図的に自然保護区から外そうとしているなら、その証拠を掴んで国に訴える必要があります」
クリス「……長い闘いになるな」
ライアン「えぇ。でも、それが自然保護活動です」
クリス(例えライアンの団体が証拠を揃えたとしても、国が買収されていたら意味がない)
クリス(もっと大きな力が必要だ。どんな組織にも対抗できる、大きな力が……)
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自宅に寝る場所はたくさんあるのに、公共施設に足を運んでしまう先輩後輩コンビ。
やる気スイッチです。応援よろしくお願いしますm(__)m