見える敵よりも、見えない敵の方が恐ろしい。
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↓Season 2のまとめは、こちら。
ウィル「調査結果は、以上だ」
クリス「やはり環境破壊は、意図的に行なわれているのか」
ウィル「あぁ。逮捕した人間は、いずれもSulaniの人間じゃない」
ウィル「Sulaniが自然保護区から外されるように、密漁や汚染活動をするよう指示されたらしい」
ウィル「雇い主は不明で、日雇いの仕事に応募したら、大金と指示書だけが送られてきたと言っていた」
クリス「大金……か」
ウィル「開発事業の可能性は?」
クリス「財閥のデータベースでは、それらしい情報は見つからない」
ウィル「これだけ調べても情報が掴めないなんて、不気味だな」
ウィル「Sulaniの資源採取が目的かとも思ったけど、自然破壊をすれば資源も傷つく」
クリス「そうだな。それに……」
クリス「Sulaniには大量の天然資源が眠っているとはいえ、実際に研究は進んでいない」
ウィル「研究をしている者が加担している可能性は?」
クリス「Sulani研究の第一人者は、リタ・オレンジ。ライアンの奥さんだ」
クリス「リタはSulaniの出身だし、自然保護活動にも力を入れている。何より、金のために動くような人間じゃない」
ウィル「……そうか」
クリス「リタが関わっている可能性は低いけど、何か有力な情報を得ているかもしれない」
クリス「ウィルはこのまま島内を監視してくれ。何かわかったら、すぐに連絡する」
ウィル「了解」
クリス「……というわけで、調査に進展がないか確認しに来たんだ」
ライアン「なるほど」
ライアン「実は、俺たちも先輩に伝えておきたいことがあるんです」
クリス「何だ?」
ライアン「俺の実家が、Oasis Springsで建設関係の会社を営んでいることは知ってますよね?」
クリス「あぁ。弟のディランが継いだ会社だろう?」
ライアン「はい。最近うちの会社に、大規模なリゾート建設を請け負えるか相談があったそうです」
クリス「リゾート建設?依頼者は?」
ライアン「頑なに身元を明かそうとはしなかったそうですが、名前も知らない依頼者の仕事は受けないと言ったら『オーウェン』とだけ名乗ったそうです」
ライアン「不動産会社を営んでいるとか。ただ、バックには大物がついていると言っていたので、大元ではないでしょう」
クリス「……そうか」
ライアン「オーウェンという男は、ディランに『辺境にある南の島でも仕事を受けられるか』と尋ねたそうです」
クリス「南の島?」
リタ「Sulaniで間違いないでしょうね」
クリス「……」
リタ「もしも自然保護区でリゾート化の話が持ち上がっているとすれば、大問題よ」
ライアン「自然保護区から外されるとなれば、政治に介入できる大きな組織が存在しているということです」
クリス「ゴールド財閥にとって脅威だな」
ライアン「Sulaniだけでなく、今後他の自然保護区がリゾート化される可能性もある」
ライアン「先輩。一度、会長と直接話をさせてください」
ライアン「早急に手を打たなければ、取り返しがつかないことになる」
クリス「……」
クリス「この件は……俺から会長に話してみる」
ライアン「先輩!」
クリス「俺が、今まで何もしてこなかったと思っているのか?」
ライアン「え?」
クリス「すでに会長だけでなく、上層部にもこの件を話した。それでも動こうとはしない」
ライアン「『自然保護活動』に手を貸すことになるからですか?」
クリス「そうだ」
クリス「ライアン。ゴールド財閥が自然保護団体に苦しめられてきた歴史は、知っているだろう?」
クリス「自然保護団体の訴えによって経済的に大きな損失が出ているし、仕事を失った人間もたくさんいる」
ライアン「……」
クリス「信頼関係のないお前がどんなに訴えても、会長が動くとは思えない」
クリス「むしろ、リゾート化を狙っている組織と手を組んで、自然保護団体を片っ端から潰そうとするかもしれない」
リタ「そんな……」
クリス「会長がウィルを警察官として復職させたのは、組織の正体を調べるためだ。自然保護のためじゃない」
クリス「この件は、俺がもう一度会長に掛け合って協力の糸口を探してみる」
ライアン「でも……」
ライアン「『オーウェン』とだけ名乗ったそうです」
クリス「財閥には、お前が握っていない情報がある」
ライアン「……え?」
クリス「俺が合図を出すまでは、下手に動くな。良いな?」
ライアン「……わかりました」
クリス(オーウェンという男があの『オーウェン・シルバー』なら、会長も黙ってはいないだろう)
クリス(会長に恨みを持っているという点は、突破口になるかもしれない)
クリス(少し強引だけど、反ゴールド同盟との結びつきを指摘してみるか……)
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板挟みのクリス。
やる気スイッチです。応援よろしくお願いしますm(__)m