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カレン「レイちゃん、おはよう！」
カレン「パンケーキとトースト、どっちが良い？」
カレン「甘いの苦手なレイちゃんは、トーストかな？」
レイ「……そうだな」
カレン「レイちゃんのために、カレンが取り分けるね」
リアム「カレンちゃん、俺はパンケーキが良い」
カレン「うん、たくさん作ったからいっぱい食べて！」
リアム「俺にも取り分けてよ……」
カレン「サムもパンケーキで良い？」
サム「……え？」
カレン「サム？」
レイ「元気がないな。どうした？」
サム「……昨日、以前応募した新人賞の結果が出たんだ」
カレン「そうなんだ！結果は？」
サム「『佳作』だった」
レイ「入賞したのか？良かったな」
カレン「すごい！お祝いしないと」
サム「全然すごくないし、嬉しくもない」
カレン「……どうして？」
サム「佳作を取るのは初めてじゃないの。私が目指していたのは、作家としてデビューできる『大賞』」
サム「佳作なんて、何の意味もない」
カレン「入賞するだけですごいと思うけど……」
レイ「サムの目標には届かなかったということか」
サム「本当、悔しい。もっと時間があれば大賞を狙えたのに……」
サム「食べられなくなっても良いから、カフェのバイト休めば良かった」
リアム「……」
リアム「そんなの言い訳だろう？」
レイ「リアム」
リアム「仕事しながら小説書いてる奴なんて、たくさんいる」
リアム「実力がある奴は、限られた時間でも大賞を狙える。そうやって言い訳してるから、佳作止まりなんじゃないのか」
サム「……」
カレン「リアム君、そんな言い方……」
リアム「サムには才能があるんだから、時間がなくても大賞を狙えたはずだって励ましてるんだよ」
サム「……何様のつもり？」
リアム「え？」
サム「なにが『励ましてる』よ。馬鹿にしてるだけじゃない」
サム「30歳にもなって仕事もバンドも中途半端に遊びまわっているあんたに、本気で頑張っている人間を馬鹿にする資格なんてない！」
カレン「サム……」
カレン「待って、サム！」
リアム「……」
リアム「俺、まだ29歳だし……」
レイ「そういう話じゃない」
リアム「……」
レイ「リアム……」
レイ「お前がサムに軽口を叩くのは今に始まったことじゃないが、最近の言動は目に余る」
レイ「カレンにもアドバイスされただろう？もっとサムの気持ちを考えて、優しい言葉はかけられないのか？」
リアム「俺なりに励ましたつもりだったんだけど……」
レイ「あれで優しくしているつもりだったのか？」
レイ「空回りにも程があるだろう。救いようがないな」
リアム「……」
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