長年築いてきた関係も、ふとした瞬間に変化することがあるーー
クリス「今日もダメか……」
ルナ「ママ……」
クリス「大丈夫、きっといつか戻って来てくれるよ」
ハワード「まぁ、気長に待つとしましょう」
クリス「……」
クリス「どうして先生がこんなところにいるんですか?」
ハワード「診療所を開けていても暇なので、ルナちゃんの様子を見に来ました」
ルナ「はあーど、だっこ!」
ハワード「ハワードですよ」
クリス「ちょっと、いつの間に名前なんて教えたんですか?
俺だってまだクリスって呼んでもらえないのに……」
ハワード「早い者勝ちです」
クリス「……」
クリス「先生……本当はルナを養子にできなかったこと、根に持っているでしょう?」
ハワード「何のことですか?」
ハワード「私は全然、全く、欠けらも気にしていませんよ」
クリス「……」
(ルナのお母さん、頼むから早く戻って来てください……)
リタ「ライアン!」
ライアン「リタ!俺に会いに来たのか?」
リタ「ルナの様子を見に来たのよ」
ライアン「ルナなら、先輩が連れて行ったよ」
リタ「またビーチでお母さんを待っているの?」
ライアン「毎日朝夕、散歩がてら様子を見に行くのが日課になってるらしい」
リタ「クリスもつくづく真面目な人ね……」
リタ「そういえば、この家の寝室って二人用よね?どうやって三人で寝てるの?」
ライアン「俺はあそこで寝てる」
リタ「……外で?」
ライアン「そう。元々公共施設でも外で寝てたから、こっちの方が快適なんだ」
リタ「……」
リタ「仕方ないわね、また私の家に泊まりに来ても良いわよ」
ライアン「リタ……」
ライアン「気持ちは有り難いけど、遠慮しとく」
リタ「どうして?」
ライアン「子供の世話に慣れていない先輩を一人にはできないから、俺はここにいるよ」
リタ「じゃあ、私がルナを預かっても良いわよ。たまには息抜きも必要でしょう?」
ライアン「ありがとう。でも……」
ライアン「先輩はルナを養子にして張り切ってるから、このまま見守ってあげたいんだ」
リタ「ライアン……」
リタ「何も考えていないようで、案外考えているのね」
ライアン「惚れ直した?」
リア「惚れ直すもなにも、最初から惚れてないから」
ライアン「残念」
リタ(でも……)
リタ(惚れそうにはなったかもーー)
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先輩、屋根の下で寝かせてあげてください。
やる気スイッチです。応援よろしくお願いしますm(__)m