何気ない一言が、事態を思わぬ方向へ導くこともあるーー
ケヴィン「セシル」
ケヴィン「セシル!」
セシル「……あ?」
ケヴィン「あ?じゃない!何回呼んだと思ってんだ」
セシル「全然気付かなかった……」
ケヴィン「お前、最近変だぞ」
ケヴィン「何かあったのか?」
セシル「別に……」
ケヴィン「話せよ。隠し事はしない約束だろう?」
セシル「そんな約束したか?」
ケヴィン「親友っていうのは、そういうものだ」
セシル「……そうかよ」
セシル「あのさ、例えばの話だけど……」
ケヴィン「ん?」
セシル「好きな奴がいて、仮にそいつを『A』とするだろう?」
ケヴィン「Aのことが好きなんだな」
セシル「そうだ。でも、別の『B』って奴に告白されたらどうする?」
ケヴィン「どうするって?」
セシル「だから……Aを諦めずに想い続けるか、Bの気持ちに応えるかだ」
ケヴィン「Aとは上手くいきそうなのか?」
セシル「Aは告白されていることにも気づかないくらい鈍感で、すでに好きな人がいる」
ケヴィン「Bはどれくらい本気なんだ?」
セシル「Bは……」
セシル「モテるくせに……他の誰にも見向きもしない」
セシル「何年も片思いし続けるくらい、本気だ」
ケヴィン「じゃあ、Bの気持ちに応える」
セシル「即答かよ」
ケヴィン「Aを想い続けても、これ以上何も変わらないだろう?
でも、Bの気持ちに応えれば、少なくともBは幸せになれる」
ケヴィン「それにそこまで想ってくれているBなら、自分も好きになれるかもしれないし……」
セシル「Aのことは諦めるのか?」
ケヴィン「告白されていることにも気づかないって、絶対ろくな奴じゃないだろう」
セシル「そうだな」
ケヴィンを想い続けて10年以上……。
何か変化が起こるかもと期待しては、その度に裏切られてきた。
これ以上想い続けて、一体何を得られるのだろう?
俺が応えれば、少なくともジェシーは幸せになれるのか……?
俺もいつか、ジェシーを愛せるのだろうかーー
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あーあ……。
やる気スイッチです。応援よろしくお願いしますm(__)m