心の拠り所さえあれば、どんな変化にも耐えられるーー
↓Season 1のまとめは、こちら。
↓Season 2の第1話は、こちら。
ケヴィン「セシル」
ケヴィン「ようやく会えた」
セシル「ケヴィン……」
セシル「わざわざ来てもらって悪いな」
ケヴィン「来るのは当たり前だろう?」
ケヴィン「……お前、少し痩せたんじゃないか?」
セシル「さぁ……ちゃんと飯は食ってるけどな」
ケヴィン「仕事、忙しいのか?」
セシル「まぁな。でも、親父が入念に準備していてくれたおかげで、引継ぎは思ったより早く済みそうだ」
ケヴィン「結局、親父さんはセシルが跡を継ぐって、見抜いていたんだな」
セシル「どこまでも腹の立つ親父だ」
セシル「……」
セシル「悪い、少し外す」
ケヴィン「……セシル?」
ケヴィン「セシル!」
ワイアット「……」
ケヴィン「大丈夫か?」
セシル「……」
セシル「今までは仕事が忙しくて、わからなかったけど……ここに来たら、急に実感した。いよいよ一人になったんだって」
セシル「あんな親父でも、俺にとっては唯一の家族だったんだ……って」
セシル「背負ったものの大きさを知って、家を継いだことを少し後悔している」
ケヴィン「……」
ケヴィン「なぁ、知ってるか?」
ケヴィン「人間、やった後悔よりもやらなかった後悔の方が大きいそうだ」
ケヴィン「お前は、すごい決断をしたよな。今は家を継いだこと、後悔しているかもしれない」
ケヴィン「でも、家を継がなかったら継がなかったで、一生後悔することになるんだ」
ケヴィン「お前は自分さえ幸せならそれで良いって、割り切れるタイプじゃないからな」
ケヴィン「どうせ後悔するなら、やった後悔の方が良いんだ。お前の選択は、間違っていない」
セシル「……どの道、後悔するんじゃねぇか」
ケヴィン「人生なんて、後悔の繰り返しだろう?」
ケヴィン「でも、後悔ばかりが人生でもない。時には、自分の選択を褒めてやりたくなることもある」
ケヴィン「背負ったものは大きいけど、悪いものばかりじゃない。良いものだってたくさんもらったはずだ」
ケヴィン「財閥にゴールド家、Windenburgの人々……これほど多くの人に慕われている人間が、他にいるか?」
ケヴィン「血の繋がった家族ではないかもしれない。でも、家族のようにお前を慕っている人間はたくさんいる。こんなに幸せなこと、ないだろう?」
ケヴィン「行こう、セシル。みんなが待ってる。みんなには、お前が必要だ」
セシル「ケヴィン……」
セシル「俺には、お前が必要だ」
ケヴィン「セシル……」
ケヴィン「あぁ。俺はお前の側にいる。今までも、これからも」
ケヴィン「俺がいる限り、セシルは絶対に一人にはならない」
ケヴィン『辛くなったら、俺のところに来れば良い』
ケヴィン『俺がいる限り、セシルは絶対に一人にはならない』
セシル「……昔、同じようなことを言われた気がする」
ケヴィン「俺は、同じようなことを言った気がする……」
ケヴィン「……」
ケヴィン「セシル。俺たちの周りは、ここ数週間でだいぶ変わってしまったよな。でも、変わらないものだってある」
セシル「……そうだな」
セシル「ケヴィン」
ケヴィン「ん?」
セシル「お前だけは、変わらないでくれ」
ケヴィン「……」
ケヴィン「あぁ、約束する。だからセシルも……」
ケヴィン「頼むから、俺を捨てないでくれ」
セシル「なんだよ、急に……」
ケヴィン「エマが脅すんだ。俺はいつかセシルに捨てられるって」
セシル「思春期の娘の言うことを真に受けるなって、あれほど注意しただろう?」
ケヴィン「だって……!!」
セシル「いい歳したおっさんが、ティーンに脅されてビビってんじゃねぇよ」
ケヴィン「まだおっさんじゃないし!!」
ワイアット「……」
ワイアット「あなた方は、変わらないですねーー」
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『恋人』という新要素が加わっていますよ。
やる気スイッチです。応援よろしくお願いしますm(__)m