この世で一番手強い存在は、『お母さん』であるーー
↓Season 1のまとめは、こちら。
↓Season 2の第1話は、こちら。
クロエ「エマ、パパからメール来たよ」
クロエ「セシルのお父さんの葬儀が終わったって」
エマ「私たち、出席しなくて良かったのかな?」
クロエ「パパに来るなって言われたんだもん。仕方ないよ」
エマ「『娘には泣き顔を見られたくないもんだ』って……セシルがメソメソ泣くとは思えないけど」
クロエ「確かに」
クロエ「まぁ、パパが代表で行ってくれたから大丈夫でしょう」
エマ「セシル、落ち込んでないといいな」
クロエ「落ち着いたら、会いに行こう。噂の豪邸も見てみたいし」
エマ「そうだね」
リタ「ただいま!遅くなってごめんなさい」
エマ「リタ」
リタ「ちょっと残業するつもりが、すっかり遅くなっちゃった。ライアンとエイデンは?」
クロエ「ちゃんと寝かせておいたよ」
エマ「エイデンも、ライアンも」
リタ「ありがとう!あなたたちが帰って来てくれて良かったわ」
クロエ「忙しい時は私たちが手伝うから、遠慮なく言ってね」
エマ「エイデンは手がかからないけど、ライアンの面倒を見るのは大変でしょう?」
リタ「そうなのよ。帰って来てくれて、本当にありがとう」
リタ「あなたたちは、ちゃんとご飯食べた?勉強は順調?」
クロエ「うん。この家にも学校にも慣れたし……そろそろアルバイトでもしようかな」
リタ「アルバイト?」
エマ「大丈夫。勉強も家の手伝いもちゃんとするから」
リタ「……」
リタ「アルバイトの件は、お父様にも許可は取った?」
エマ「もちろん」
リタ「ふーん……そう」
リタ「それじゃあ、電話して確認するわね」
エマ「え!?」
クロエ「パ、パパに確認するの……?」
リタ「そうよ」
リタ「あら、慌てちゃってどうしたの?ちゃんと許可を取ったのなら、問題ないでしょう?」
クロエ「……」
エマ「……」
リタ「確か、緊急連絡先として登録しておいた番号が……」
クロエ「あ……」
クロエ「ごめんなさい、本当は許可取ってないの!」
エマ「クロエ……」
リタ「やっぱりね」
リタ「わざわざ高い学費払って進学校に通わせる親御さんが、アルバイトなんて許可するわけないでしょう?」
リタ「『お母さん』を舐めないことね」
クロエ「……パパなら簡単にOKしてくれるのに」
エマ「お母さんって、手強い……」
リタ「言ったでしょう?私はあなたたちのお母さん代わりなの」
リタ「お母さんっていうのは、甘やかすだけが仕事じゃない。あなたたちにマイナスになるようなことは、嫌われてでも止めるわよ」
クロエ「……はい」
エマ「ごめんなさい」
リタ「よし」
リタ「……とはいえ、お母さんだって鬼じゃないわ。ここは折衷案を考えましょう」
エマ「折衷案?」
リタ「そう。アルバイトをしたいなら、家の中でしたらどう?」
クロエ「……家の中で?」
リタ「クロエとエマがお手伝いをしてくれることは、本当に助かっているの。私も何かお礼をしたいと思っていたから……そうね」
リタ「お手伝いに対する報酬として、お小遣いをあげるわ。これでどう?」
クロエ「……いいの?」
リタ「勉強も大切だけど、オシャレして遊びたい年頃だものね。女の子の気持ちもわかるつもりよ」
エマ「ありがとう!」
リタ「お小遣いの件は、ちゃんとお父様に報告するのよ。お父様が許可してくれたら、来週から始めましょう」
クロエ「ちゃんと連絡する」
エマ「リタ、大好き!」
リタ「はいはい。お小遣い分はしっかり働いてもらうわよ」
リタ「エイデンのお世話をお願いね。もちろん、ライアンも」
エマ「ライアンのお世話も入るなら、追加料金欲しいんですけど」
リタ「確かに、割りに合わないわね。追加料金分は本人に請求して頂戴」
クロエ&エマ『はーい』
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幼児より手のかかるライアン。
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