本人の強い意思がなければ、人は変わることができない。
↓Season 1のまとめは、こちら。
↓Season 2の第1話は、こちら。
セシル「家を空けていた俺が、言えることではないかもしれないが……」
セシル「お前たちは一体何をしていたんだ?」
ワイアット&リック&マリア『申し訳ございません』
セシル「ジュリアン、お前はうちの会社で働かせることにする」
セシル「極力身内は採用したくないが……他所で問題を起こされても困るからな」
セシル「名門大卒なら、最低限の採用基準には合っているだろう。一人前になるまで、クリスに教育してもらえ」
マリア「あの……旦那様」
セシル「何だ?マリア」
マリア「大変申し上げにくいのですが……ジュリアン様は『大卒』ではありません」
セシル「Britechester大学に通っていただろう?」
マリア「確かに大学には行きましたが、卒業はできておりません」
セシル「……は?」
ジュリアン「俺、まだ大学生だったんだ」
セシル「ジュリアンお前……」
マリア「不足している単位を取得すれば、すぐに卒業できるはずです」
セシル「まったく……どこまで手のかかる弟なんだ。カイルの方がよほど利口だな」
ジュリアン「仕方ないでしょう?次期当主が失踪していたせいで、ゴールド家を守ることに必死だったんだから。少しは感謝してよね」
セシル「……」
リック「あー……ジュリアン様、少し黙っていましょうか」
セシル「もちろん感謝しているとも。そうでもなければお前みたいな問題児、とっくにこの家から追い出している」
セシル「ジュリアン、お前はとりあえず大学卒業と子育てに専念しろ。就職は、その後だ」
セシル「ワイアット、リック、マリア」
セシル「今度こそ、ジュリアンをしっかり教育しなおせ。二度目はないぞ。いいな?」
ワイアット&リック&マリア『かしこまりました』
ジュリアン「またこいつらに監視させる気?」
セシル「『こいつら』じゃないだろう」
セシル「ゴールド家では、使用人や護衛係をぞんざいに扱うことは許さない」
セシル「それぞれに名前があり、役割がある。敬意を持って接しろ」
セシル「返事は?」
ジュリアン「……はい」
セシル「ワイアット、ジュリアンに大学を卒業する方法を調べさせろ」
ワイアット「かしこまりました」
セシル「……」
セシル「最悪だ……」
マリア「旦那様?」
セシル「『敬意を持って接しろ』?今の俺の話し方、親父そっくりだ」
マリア「旦那様……」
マリア「話し方どころか、外見も内面も、お若い頃のアレクサンダー様にそっくりですよ」
セシル「……」
リック「追い討ちをかけるなよ」
ジュリアン「あーあ……」
ジュリアン「ずっと兄さんが戻ってくれれば、自由になれると思っていたのに……以前より自由がないんだけど」
ジュリアン「こんなことなら、俺がゴールド家を継げば良かった」
ワイアット「心にもないことを」
ワイアット「アレクシス様がジュリアン様に厳しく接するのは、すべて愛情です」
ジュリアン「本当、兄さんも物好きだよね。俺はゴールド家の者じゃないんだから、放っておけば良いのに」
ワイアット「血の繋がりはなくとも、あなたはゴールド家の一員であり、アレクシス様の大切な弟なのですよ」
ジュリアン「……」
ジュリアン「まぁ、鬱陶しいとは思うけど……愛情ゼロで子供を放置する親よりマシかもね」
ケヴィン『少なくともカイルには、パパとママがいる家庭を教えてあげられる』
ジュリアン「……」
ジュリアン(もしかして俺、あの女と同じことをしようとしていた……?)
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側にいると面倒だけど、姿が見えないと不安になるのが、ジュリアン。
やる気スイッチです。応援よろしくお願いしますm(__)m