視点が変われば、印象も変わる。
↓Season 1のまとめは、こちら。
↓Season 2の第1話は、こちら。
ジュリアン「ねぇ、ローズは?」
マリア「お仕事が入ったようで、Del Sol Valleyに行かれましたよ。夕方には戻られる予定です」
ジュリアン「そう……」
マリア「さぁ、カイル様。お昼寝しましょうね」
ジュリアン「……」
ジュリアン「カイルは俺が見ておくから、マリアは仕事して」
マリア「え?」
マリア「ジュリアン様、今『マリア』って……」
マリア「私の名前、ご存知だったんですね」
ジュリアン「呼ばないだけで、さすがに知ってはいるから」
マリア「本当にお一人で大丈夫ですか?」
ジュリアン「寝かせるだけでしょう?多分、平気」
ジュリアン「それよりも、イヴを見張っていて欲しい」
マリア「イヴ……ですか?」
ジュリアン「俺は警戒されているから、近付きたくないんだ。代わりに怪しい動きがないか、見張っておいて」
マリア「あの……イヴが何か?」
ジュリアン「散々俺のこと見てきて、まだわからないの?」
ジュリアン「あの女は、ヴァンパイアだ」
マリア「……え?」
ジュリアン「俺の母親を知っているらしい。良からぬことを企んでいるかもしれないから、注意して」
マリア「……」
マリア「かしこまりました」
ローズ「ただいま!」
セシル「ローズ、ちょうど良かった。少し話せるか?」
ローズ「えー……帰ってきた途端に呼び出し?」
ローズ「アレクシスさんって学校の先生みたい」
セシル「俺だって、好きで呼び出しているわけじゃない」
セシル「お前に聞きたいことがあるんだ」
ローズ「聞きたいこと?」
セシル「ケヴィンから聞いたんだが、お前には『姉』がいるのか?」
ローズ「血は繋がっていないけど、お姉ちゃんが一人います」
セシル「血は繋がっていない?」
ローズ「養護施設で出会ったから」
セシル「……姉の名前は?」
ローズ「バイオレット・ブラック」
セシル「リストに挙がっていたか?」
リック「いいえ。血の繋がりがなかったとしても、名前が一切挙がってこないのはおかしいです」
クリス「俺も調べましたが、挙がってきませんでした」
セシル「……そうか」
ローズ「お姉ちゃんのことを調べたの?」
セシル「ローズ。ゴールド家は独自の調査ルートを持っている。一般人が隠蔽した程度じゃ誤魔化せない、国家レベルの情報も入手できるルートだ」
ローズ「だからマリーちゃんやジェシーさんのことを知っていたの?」
セシル「そうだ。だが、バイオレット・ブラックの名前は挙がってこなかった」
セシル「うちの調査で挙がってこないということは、国が意図的に情報を操作した可能性がある。何か心当たりはあるか?」
ローズ「国が操作?そんなの知らな……」
ローズ「あー……そっか。ウィルはこれを言ってたんだ……」
セシル「ローズ?」
ローズ「お姉ちゃんは、その……アレです。いるけどいないことになってます」
セシル「どういう意味だ?」
ローズ「国が情報を操作したってのは、たぶん正解。安全のために隠蔽されたんだと思う」
セシル「事件にでも巻き込まれたのか?」
ローズ「巻き込まれたっていうか、巻き起こしたっていうか……」
セシル「なんだよ、ハッキリ話せ」
ローズ「……どうしてそんなにお姉ちゃんのことが知りたいの?」
セシル「ゴールド家には味方も多いが、敵も多い。周囲の情報は正確に把握しておきたいんだ」
ローズ「もしかして、話すまでは……」
セシル「帰さない」
ローズ「……」
ローズ「お姉ちゃんは、ある窃盗団の幹部だったの」
セシル「窃盗団……?」
ローズ「大丈夫、今はもう関係ないから。警察の捜査に協力して、ちゃんと罪は償ったもん」
リック「最近この屋敷の周りを警察官がうろついているのは、それが原因ですか?」
ローズ「……そう。私も身辺警護の対象なんだって」
セシル「その姉は、今どこにいるんだ?」
ローズ「組織から狙われる可能性があるから、南の島に身を隠してます」
セシル「島の名前はわかるか?」
ローズ「確か……SunaniとかSuaniとかいう島だったと思う」
クリス「Sulani……?」
ローズ「あ、そう!Sulani」
クリス「ちょっと待て……」
クリス「Sulaniに今、犯罪者がいるのか?」
ローズ「……」
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ハワードはいいけど、ルナが心配。
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