組織は、綺麗事だけでは成り立たないーー
↓Season 1のまとめは、こちら。
↓Season 2の第1話は、こちら。
ビクトリア「失礼します」
セシル「お前は……」
ビクトリア「本社CEOのビクトリア・スカーレットと申します」
セシル「あぁ……営業課にいた奴か」
ビクトリア「私のことを覚えておいでですか?」
セシル「やたら威勢の良い女性社員がいたことは覚えている。社長に就任とは、大したものだな」
ビクトリア「……全て、アレクサンダー様のおかげです」
ビクトリア「お父様のこと、心からお悔やみ申し上げます。恩返しもできないまま亡くなられてしまい、残念でなりません」
セシル「悔やんでいても仕方がない。恩返しがしたければ、会社の経営に集中してくれ」
ビクトリア「そうするつもりです」
ビクトリア「今は葬儀の準備中ですか?」
セシル「あぁ……と言っても、実際に動いているのは家の者だけどな」
ビクトリア「アレクシス様。お時間があるようなら、今のうちに『秘書』を決めてはいかがですか?」
セシル「秘書?」
ビクトリア「はい。今後は仕事でもプライベートでも、多忙を極めることになるでしょう。専属の秘書が必要です」
セシル「……そうだな」
ビクトリア「一度、本社にお越しください。現在の様子を見ていただきたいですし、良い気晴らしにもなるはずです」
セシル「ビクトリア、反ゴールド同盟の息がかかっていない社員を選べるか?」
ビクトリア「何人か、信頼のおける優秀な社員がいます。秘書にふさわしい人材を選んでおきますので、ご自分の目で選出なさってください」
セシル「わかった。明日の朝、顔を出そう」
セシル「上層部には、葬儀の後に改めて挨拶する」
ビクトリア「はい。明日は、内密に必要な人材だけを集めます」
セシル「頼んだぞ」
ビクトリア「かしこまりました」
セシル(まずは『反ゴールド同盟』とやらの炙り出しが必要だな)
セシル(財閥もこの家も……信頼できるメンバーを集めて、古い体制を変えなければならない)
セシル(やることが山積みだ。当分、ケヴィンとはゆっくり過ごせそうにないな……)
セシル「……」
セシル「さっきから何なんだよ、暇なのか?」
マリア「アレクシス様がいなくならないように、見張っています」
セシル「あのな……俺はこの家を継ぐと宣言したんだぞ?いなくなるわけないだろう?」
マリア「ジュリアン様の一件もあるので」
セシル(完全に人間不信だな……)
セシル「お前ら俺がいなくなって大騒ぎしていたらしいけど、俺は断じて『失踪』なんてしてないからな」
マリア「どういうことですか?」
セシル「大学を出るまで会社を手伝う代わりに、卒業後は好きにして良いって親父から言われていたんだよ」
マリア「アレクサンダー様とどのような約束していようと、私に黙って姿を消したんです。立派な失踪ですよ」
セシル「……謝っただろう?」
マリア「まだ許していません」
セシル「……」
セシル「ジュリアンは、まだ見つからないのか?」
マリア「……はい。護衛係が捜索中です」
セシル「リックの奴、俺のことは簡単に捜し出すくせに……何を手こずっているんだ?」
マリア「アレクシス様は、よく幼馴染のケヴィン様と家を抜け出しては、連れ戻されていましたものね」
セシル「……」
セシル(ジュリアンの奴……こんな時に、どこで何をしているんだ?)
ジュリアン「お兄さん」
ジュリアン「あんたゴールド家の親族なんでしょう?」
男性「何の話だ?そんな家、知らな……」
ジュリアン「俺も『反ゴールド同盟』の一員なんだ。よかったら協力しない?」
男性「……」
男性「話を聞こうーー」
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マリアは、一度カウンセリングを受けるべき。
やる気スイッチです。応援よろしくお願いしますm(__)m