Sims 7 days

PC版『The Sims4』の創作Blogです。シムたちのオリジナルストーリーを展開中。※一部BL要素を含みます。

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【Sims4】#8 専属のエース【Season 2】

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何気ないやり取りにこそ、人の本性は現れるーー

 

 Season 1のまとめは、こちら。 

 Season 2の第1話は、こちら。 

 

 

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クリス(深い意味はないんだろうけど……)

 

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ビクトリア『ありがとう。仕事を抜きにしても、あなたが戻ってくれて嬉しいわ』

 

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クリス(『仕事を抜きにしても』って……どういう意味なんだろう?)

 

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ビクトリア「クリス!」

クリス「は、はい」

 

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ビクトリア「すぐに下の会議室に向かって頂戴」

クリス「会議室ですか?」

 

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ビクトリア「10時から人事に関する面接があるのよ」

クリス「10時って……5分後じゃないですか」

 

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ビクトリア「えぇ、だから急かしているの。大丈夫、役員と軽く話すだけだから」

 

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クリス「……わかりました」

 

 

 

 

 

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 コンコン

 

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クリス「失礼します」

 

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クリス(グループ面接だったのか……)

 

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クリス(異様な空気だな……仕事のために、一分一秒も無駄にしたくないって顔だ)

 

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クリス(いや、出世のため……か。俺も昔は、こんな顔していたのかな?)

 

 

 

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社員A「もう10時だぞ?まだ始まらないのか?」

 

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社員B「役員が遅れているんだろう?」

社員A「ったく……ふんぞり返ってるだけで高給がもらえるなんて、いいご身分だな」

 

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社員C「そういえば、アレクサンダー会長が亡くなったそうよ」

 

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社員B「社内周知があったのか?」

社員C「役員が話しているのを聞いてしまったのよ」

 

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社員B「なんてことだ……誰が跡を継ぐんだ?」

社員A「どうせバカ息子だろう?」

 

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社員A「生まれた家が金持ちってだけで会長になれるなんて、うらやましい話だ」

クリス「……」

 

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クリス「そんな言い方はないんじゃないか?」

社員A「あ?」

 

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クリス「金持ちの息子が、恵まれているとは限らないだろう。それに、アレクサンダー会長の御子息はかなり優秀だと聞いたけど」

 

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社員A「さすが、伝説の営業マン。媚びを売るのが上手いんだな」

クリス「……」

 

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社員A「あんた知ってるぞ。伝説だかなんだか知らないけど、十年も会社を離れていた人間に何ができる?最前線で会社を守り続けてきた俺たちに、偉そうな口をきくな」

 

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社員B「おい、言い過ぎだぞ」

社員A「おっと気をつけないとな」

 

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社員A「売店の売り子や清掃スタッフに降格されるかもしれない」

社員C「パートに降格はあり得ないでしょう?」

 

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クリス「俺はお前と働くくらいなら、喜んでパートになるけどな」

社員A「あ?」

 

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クリス「この会社に在籍する社員は、それぞれが誇りを持って働いている。出世争いも結構だが、誰のおかげで毎日売店を利用できるのか、清潔なオフィスで働けるのかよく考えろ」

 

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社員A「パートと俺たちを一緒にする気か?」

クリス「一緒にはしない。パートの方がずっと重要だからな」

 

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クリス「少なくとも俺は、今日お前がいなくなっても困らないけど、売店の売り子や清掃スタッフにいなくなられたら困る」

 

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社員C「確かに。その通りね」

社員A「……」

 

 

 

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社員A「さっきから黙っているが、見ない顔だな。どこの部署だ?」

 

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セシル「俺か?俺は最近転職してきたばかりで、どこにも属していない」

 

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社員A「は?中途採用が、どうしてこんなところにいるんだよ」

 

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社員B「ここに来る前は、どこにいたんだ?」

 

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セシル「どこって……音楽業界?」

社員C「音楽業界?ビジネスマンじゃないの?」

 

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セシル「ビジネスマンの経験はあるが……ここ十年は、作曲家だった」

 

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社員A「は?ふざけてんのか、お前?そんな奴がどうして一流企業に中途採用されるんだよ?」

 

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セシル「……それを知ったら、後悔することになるぞ」

 

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社員A「後悔?面白い、話してみろよ」

 

 

 

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セシル「ある日、実家から遣いが来たんだ」

 

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セシル「親父が危篤状態だと。親父は俺を後継者に指名していたらしい」

 

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セシル「冗談じゃないよな?全て弟に任せるつもりでいたのに、俺が継がないとゴールド財閥が潰れるんだと」

 

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セシル「仕方なく後継者の座に収まってはみたものの、仕事は山積みだし、部下はロクでもない奴ばかりだし……」

 

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セシル「早速、『転職』したことを後悔している」

 

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セシル「あぁ、申し遅れたな。俺はお前がいうところの『バカ息子』」

 

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セシル「次期会長のアレクシス・ゴールドだ」

 

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社員A「か、会長……?」

 

 

コンコン

 

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ビクトリア「失礼します」

 

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ビクトリア「アレクシス様、選考は終わりましたか?」

セシル「あぁ、たった今終わった。解散させて良いぞ」

 

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社員A「待ってください、会長。先ほどは失礼を……」

 

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セシル「覚えておけ、バカ社員」

 

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セシル「俺のことをバカ息子呼ばわりしたことは、水に流そう。だが、同じ会社の社員をバカにすることは許さない」

 

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セシル「お前には、パートのありがたみをわからせる必要があるな」

社員A「……会長?」

 

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セシル「お前は、今の部署から売店へ異動を命じる。俺が正式に会長の座に就いたら辞令を交付するから、覚悟しておけ」

社員A「そんな、会長……!」

 

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セシル「お前たちも肝に命じておけよ。以上だ、解散」

 

 

 

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セシル「あぁ、クリス・ブルー。お前は残れ」

 

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クリス「え?俺……私ですか?」

 

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セシル「クリス、お前には俺の専属秘書になってもらう」

 

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クリス「え?ちょっと待ってください、俺は元々営業マンです。秘書の経験は……」

 

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セシル「経験の有無なんて聞いていない。お前は本日付けで、俺の専属秘書だ」

クリス「まさか……」

 

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ビクトリア「良かったわね、クリス。あなたが選ばれるって、信じていたわ」

クリス「ビクトリアさん、これは……」

 

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ビクトリア「さぁ、帰って引っ越しの用意をしないとね」

クリス「え?引っ越し?」

 

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ビクトリア「そうよ。あなたは、これから会長につきっきりで行動してもらうわ。ゴールド邸に引っ越さないと」

 

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ビクトリア「あんな立派なお屋敷に住めるなんて、ラッキーね」

クリス「そんな……」

 

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クリス(会社に復帰して間もない上に、秘書経験もない)

 

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クリス(よりによって、会長の下で働くことになるなんて……)

 

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セシル「なにグズグズしてるんだ、帰ってとっとと荷物をまとめろ。クビにするぞ」

クリス「……」

 

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クリス(Sulaniに帰りたい……)



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途中でキレなかったセシルを、褒めてあげたいです。

  

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